220戦 ページ26
アイディは《ある連絡》を待っていた
気付けば時刻は深夜
ビルの屋上で夜風に当たるアイディの隣にはクーナがいた。イーディスはあれから緋の眼を仕舞うため一時的に楽園に戻った
アイディは自身の右腕を見つめる
クーナ
「…後悔、してないですか？」
アイディ
「するわけないよ…私にはもう、これしかないから」
互いに顔を見合うこともなく会話をする2人
クーナ
「こうしてアイディと二人でいるのは…久しぶりですね」
アイディ
「…そうだね」
クーナ
「アイディに保護されてしばらくは2人でしたが、そこからはファムもいて……あの時は楽しかったですね」
アイディ
「…死んだら、ファムに会えるかな？」
アイディからの問いかけにクーナは何も答えなかった。答えたくもなかった
今のアイディは弱気なことしか言わない。今までアイディが死後の話をしたことなど1度もない
クーナは今ここでアイディに賛同したら後戻りできない、後悔してしまうと思った
クーナ
「…やめませんか？」
アイディ
「……え」
クーナ
「ファムだったらきっと止めます…！今日までずっと黙ってましたがもう限界！！やめてよ！あたしアイディに死んで欲しくないっ！！」
思いが爆発したクーナ
しかしクーナが声を荒らげても振り向こうともしないアイディ
息を整えアイディの方を見て話を続けるクーナ
クーナ
「アイディ…今からでも考え直してよ！あたしの心の拠り所はアイディしかいないの！いなくなってほしくない！クラピカに何か言われてもあたしが何とかするから……だから…いなくならないで…っ」
その場で崩れ落ちるクーナ。ここまで聞いてきたアイディもクーナの方を見つめた
ずっとそばで支えてくれたクーナに申し訳ない気持ちもあったのか傍に駆け寄り抱きしめた
アイディ
「ごめんね…でも、これだけは曲げたくない」
クーナの叫びは届かなかった
アイディの胸で涙を啜るクーナ。アイディはクーナの背中を擦りながら話す
アイディ
「クーナ…違うんだよ」
クーナ
「え…なにが…」
アイディ
「クラピカに許されたって私は死ぬと思う」
クーナは目を見開き唖然とした。驚きのあまり口が開かない
アイディ
「私は自分が許せないの…」
とだけ言ってアイディはその場から姿を消した。アイディを止められなかった悔しさのあまり涙するクーナ
アイディの通信機には一通のメール
『リンゴーン空港においで♡』
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作者名：白兎＠ロップ | 作成日時：2020年6月17日 23時
