215戦 ページ21
クラピカ
「…アイディ？」
普段よりも低い声で話すアイディに困惑するクラピカ。ゴン達も唖然としていた
アイディ
「クラピカは頼れって言ったけどさ、いつも憶測だけで動いてる…それ全部私の身の安全第一なんでしょ？」
クラピカ
「当たり前だろ！アイディを狙う輩がどれほどいるか…」
アイディ
「ふざけないで！自分の身は自分で守れる！いつまでもクラピカの意見に頷くだけとは思わないで！！」
アイディの中で何かが切れた
そのせいか今まで押し殺してきた自分の《闇》の部分が顕になる
アイディ
(どうして…っ…どうしてこんな言い方してるの、私？なんで…なんで…)
アイディ自身も自分の発言に違和感を感じていた。困惑する中、クラピカはアイディの肩に手をのせる
クラピカ
「落ち着いてくれアイディ、私の鎖ならアイディの安全が保証できる…だから____」
するとアイディは肩におかれたクラピカの手を叩き落とした
アイディの叩く音がロビーに響く。それを黙って見ていたゴン達も肩を震わせた
アイディ
「そんなのいらない！勝手に作った恨みの産物なんか安全じゃないでしょ！！」
クラピカ
「アイディ…」
アイディ
「……私は引く。クラピカが正しいと思えばそれでいいんじゃない？」
最後に冷たく一言言い放ってアイディはホテルを後にした
アイディは懐から通信機を取り出し迎えを呼ぼうとしたが、身体が震えて上手く操作できなかった
アイディ
「…っ…ふっ……」
自然と涙が溢れていた
自分の意志と関係なく思っていたことを話し、クラピカにきついことを言った自分に絶望していた
「アイディ…ちゃん」
不意に名前を呼ばれ振り返った
そこにいたのは楽園の構成員であり七戦姫であるリリアだった
リリアは心配そうにアイディを見つめ、アイディが泣いていることに気づいた
すると駆け足でアイディの元へ向かい、強く抱きしめた
リリア
「大丈夫だよ…大丈夫…」
リリアはそれしか言えなかった。アイディの背中をさするがアイディはすぐにリリアから離れた
アイディ
「大丈夫だから…早く楽園に戻るよ」
リリア
「あ……うん」
リリアを置いていき車があるであろう場所へ向かう。通り過ぎたアイディのオーラにリリアは目を見開いた
リリア
(気のせい…だよね？アイディちゃんのオーラが嫌な感じに見えたのは…)
リリアは感じたアイディのオーラを気のせいだと信じたかった
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作者名：白兎＠ロップ | 作成日時：2020年6月17日 23時
