156戦 ページ9
イツワのことが気になりながらも時は進み、夜
三人は街に戻りホテルにチェックインして、それなりにいい部屋をとれた
クーナ
「しばらくは此処を拠点としましょう。幸い近くにショッピングモールもありますし必要なものはすぐに揃いそうですね」
マチ
「了解。アイディ、今日はもう休もう…疲れただろ？」
アイディ
「うん…」
アイディはどこか上の空だった
ずっとイツワのことが引っかかっていたのだった
＊
夜中____________
周りが寝静まっている中、アイディは急に目を覚ました
胸を抑え、流れる汗を袖で拭う
アイディ
「はぁ…はぁ…はぁ……っ…何を見て…た…」
荒れた呼吸の原因も、胸の苦しみも、先程まで見ていた夢も何も思い出せないアイディ
一息つこうと水を飲む
アイディ
「…まだ…2時」
時計を見れば現在は夜中の2時
そのまま起きているにも微妙な時間で、アイディはこのまま起きていようかと考える
アイディ
「最近…ちゃんと寝れてないな…でも、苦しくなるのは今までで1番辛かった…」
原因が聖王にあるのかと考えたが、ジブリールはまだ寝ていた
彼女にも自分の生活リズムがあるが、アイディが寝れば一緒に眠りにつく
しかし起きるのは彼女の気まぐれのようだった
アイディ
(9月からは…忙しくなる。みんなに会えるかな…旅団と一緒に行動して、オークション会場で最後の緋の眼を探す…イツワの行動も観察しなくちゃ……)
9月中のおお仕事の確認だけで頭を抱えるアイディ。正直に言うと今の自分の気力だと達成できる気がしなかった
アイディ
(どうしてだろう…自分でやるって決めたことなのに、どうしてこんなに辛いんだろう…)
(クラピカにも旅団のことちゃんと話さなくちゃ…)
アイディはバッグから写真を取り出す。ハンター試験の後、9月にヨークシンで会おうと約束した時に撮った写真
アイディは今までこれを見て頑張ってきた
アイディにとってあの時は大切な思い出だった。試験の時を思い出すだけで目尻が熱くなる
ずっとみんなと笑っていたい
私はみんなと一緒にいてはいけない
自分の中で交差する考え
このことを考えるだけでも苦しくなる
天空闘技場でキルアに励まされたが自分にはやはりむりなんだと思ってしまう
(やっぱり…私には無理だよ…)
アイディは声を殺して啜り泣く
よくアイディはハンター試験の時に戻りたいと考えてしまっていた
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作者名：白兎＠ロップ | 作成日時：2020年5月23日 21時
