【HUNTER×HUNTER】雷神少女3 (ページ10)

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107戦ページ10

男は何も発することなくアイディ達に近づいてくる。ここまで近づかれて何も気づくことが出来なかったことに驚くゴンとキルア

その男からは禍々しいなにかが感じ取れる

キルア
(なんだコイツ……ここまで近づかれて気配すら感じなかった…！)

すると男性は急に立ち止まり、大きく息を吸い勢いよく90度に頭を下げた

「お嬢！お迎えに上がりました！」

キルア
「へ？」

ゴン
「…おじょう？」

男性が言う「お嬢」が誰なのかはすぐに分かった。ゴンとキルアはアイディの方を向く

アイディ
「えーっと…第二戦闘部隊、隊長のウィリアム！」

ウィリアム
「はっ！直接会うのは今日が初めてであります！覚えて頂き光栄です！」

ゴン
「え！？アイディの知り合いなの？」

キルア
「んだよ…驚かすなよ」

アイディの知り合いだと分かり肩の力を抜くゴンとキルア。アイディも申し訳なさそうに笑い、ウィリアムと呼ばれた男性も頭をかいていた

ゴン
「お迎えってことは…アイディも行っちゃうんだね」

アイディ
「そうだね…じゃあ、ヨークシンでね。写真…大事にするね」

ゴン
「うん！またねー!」

そう言って手を振るゴンだが、キルアはどこか納得がいってない様子だった

キルア
「…そいつが誰なのかとか、七戦姫のアジトとか…気になることいっぱいあるけど…次会った時にちゃんと教えてくれるよな？」

アイディ
「うん…」

アイディのことだから言いたくないことや言えないことなんだろうが、それでもアイディのことを知りたいキルアはそう問いかけたのだった

＊

アイディ
「ねぇ…ウィリアム」

ウィリアム
「な…なんでしょうか」

アイディ
「どうして…私一人の迎えに、こんなにたくさんの車がいるの？」

アイディが見る先にあるのは、5台程並ぶ同じ黒い車

アイディの顔が見えなくとも声と雰囲気で怒っているんだと感じ取ったウィリアムは顔を真っ青にする

アイディ
「まぁ…いっか、時間もないし早く出して」

ウィリアム
「はい！」

ウィリアムに連れられて並んでいるうちの1台に乗り込むアイディ
運転席にウィリアムが乗り込みエンジンが入る

ウィリアム
「発進します！」

並んだ黒い車は1列に並び【アジト】へと向かう。アイディは窓から見える景色を眺め何も発さない

アイディ
(ここから先……何度後悔しても、もう後戻りはできない)

そう決意するアイディの手には写真があった______