119戦 ページ22
じーっとアイディを見つめているゴン
首を傾げてどうしたのか問いかけようとするとゴンが口を開く
ゴン
「アイディ……泣いてる？」
アイディ
「え…？どうしてそう思うの？」
ゴン
「だって、最後に会った時と雰囲気が全然違うんだもん」
急なゴンの発言にアイディは慌てる。それを聞いていたキルアもアイディを見つめる
アイディ
「……大丈夫、だよ。平気、最近仕事ばっかりしてるから疲れてるのかも」
ゴン
「ほんとに？」
アイディ
「本当だよ」
アイディの笑顔を見て一安心したのかゴンも笑顔になる。しかしキルアの表情は変わらなかった
するとキルアの隣にいたリリアが大きな声を上げる
リリア
「あ！！あたし試合あったんだった！アイディ選手失礼します！ゴン、キルアまたねー！」
自分の試合のことを思い出し早足で部屋を後にするリリア。リリアの行動に苦笑いをするキルア
ゴン
「アイディも200階クラスなんでしょ？いつから来てたの？」
アイディ
「えと…昨日」
ゴン・キルア
「「昨日！？」」
アイディの予想外な返答に驚きを隠せないゴンとキルア。アイディは2人の大声に思わず耳を塞ぐ
キルア
「じゃあ休憩なしで200会場…まじか、やっぱ姉貴はすげぇや」
ゴン
「俺たちここに来るまでに2週間近くかかったのに…」
アイディ
「それでも十分凄いよ」
その後もアイディはゴンとキルアとここ数ヶ月の間の話をした
ゴンとキルアは天空闘技場に来た理由まで話したが、アイディはそれまでのことや楽園のことは一切話さなかった
アイディ
「そっか…じゃあゴンはプレートをヒソカに返すために」
ゴン
「うん、まさかヒソカも天空闘技場にいるとは思わなかったけど」
アイディ
「じゃあ早く怪我治して、特訓しないとね？」
ゴン
「うん！」
気がつけば外は茜色に染まっていた
時間が経つのが早いなと、久しぶりに実感できたアイディ
そろそろ部屋へ戻ろうとするアイディ
キルア
「姉貴！…話があるんだ、一緒に行っていいか？」
アイディはそれを了承してキルアと共に自室に向かうことにした
アイディ
「それで…話って何かな？」
ここまで来る間、一言も話さなかったキルアはアイディの自室に来てやっと口を開く
キルア
「姉貴……なんで、血の匂いが濃くなってんのさ」
それはキルアにしか分からない疑問だった
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作者名：白兎＠ロップ | 作成日時：2020年4月12日 0時
