第57話「魔神の過去2」● ページ6
流血表現があります。苦手な方はスルーしてください。
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あれ?今思い出したが・・・・・・
鈴「大丈夫。ってか優衣は今日塾じゃない?」
オレがそう聞くと優衣は少しビクッと肩を揺らしてから
優衣「まぁ、ちょっとくらい遅れたって大丈夫でしょー。」
のんきにそう言った。
サボる気か!と思ったオレが「あ〜〜!」と優衣に言うと、優衣は「えへへへ・・・」と笑った。
その時だった。
歩道の内側をちゃんと歩いていたオレと優衣に向かって車が突っ込んで来たのだ。
それも、優衣の方へ向かって。
恐らく、カーブで曲がりきれなかったのだろう。
鈴「優衣ッ!」
気づくと俺は優衣を突き飛ばしていた。
車はオレに衝突する。
その瞬間に全身に激痛が走り、オレは死を覚悟した。
優衣「鈴ちゃんッ!?」
優衣が心配して駆け寄ってくるが、意識が朦朧としてほとんど聞き取れない。
走馬灯まで見えてきた。
そういえばオレ、前に一度車にはねられそうになった時に助けてもらった事があったっけ。
異様な身体能力を持った奴で、はねられる直前だったオレを抱えてはねようとした車の上に乗っかったのだから。
確かソイツの名前はAと言ったっけ。あの時はマジで死ぬかと思ったからなぁ。
優衣「大丈夫!?」
っていうか、今オレ瀕死だわ。
優衣の声がギリギリ聞こえて、「大丈夫・・・・・・」と返事をした時に、口から何か生温い液体が飛び出す。
血だ。
ちょっとこりゃ死ぬ未来しか見えんわ。
優衣「い、今救急車呼ぶからっ!!」
優衣が今にも泣きそうな表情でそう言った。
オレは「呼ばなくて良いよ、きっともう・・・・・・助からない、から。」そう、残る力を振り絞って優衣にそう告げた。
優衣の表情が絶望したような物に変わる。
そして、オレは「優衣が死ななくて・・・・・・良かったよ・・・・・・。」そう言った。
すると、視界が狭くなり、全身に力が入らなくなってくる。
唯一、近くでサイレンの音が聞こえた。
最後の最後に、優衣の悲痛な叫び声が聞こえた。
オレは、晴天の日に不慮の事故でこの世を去った。
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リア友が書いたものを作者が少しリメイクしたものです。
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作者名:フローリング | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Misusitai/
作成日時:2021年8月16日 19時