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33話 ページ35

彼女が笑っている。

何の邪魔も入らない、そんな世界で幸福な時を過ごしている。

君が笑って、互いの身分なんて関係なくて、ただただ人として二人は向き合っているのだ。



何度想像したかわからない。

だからこそ、それが夢であると気づくのに時間はかからなかった。

最近はよく夢を見る。

特に、銀行強盗と遭遇したあの事件で倒れて以来。

頻度が増したのは、書店でのサイン会後に運悪く事件に巻き込まれて、つい組織側の性質が表に出てしまったことも影響しているのかもしれない。

こんな風に幸せで穏やかな夢を見る事もあれば、過去の仕事の夢を見る事もある。

最近はそんな夢に一喜一憂することに疲れて、パソコンに向き合ったまま疲れて眠ってしまう事でそれを防いでいたが、溜まっていた仕事を消化してしまったため、今日はベッドで寝ていた。

疲れた体を労わろうと思ったのだが、この夢もいつもとは違った意味で疲れてしまう。

パチリと開いた目で天井の白を見つめながら今後について考えた。


「と言っても、この時間から二度寝するのはなぁ……」


ベッドの横の窓から眩しい光が差し込んできていた。

カーテンは閉めているが、この分では恐らく朝、という時間帯でもないのだろう。

二度寝すれば一日、少なくとも半日は無駄にしてしまうことになる。

珍しく組織から連絡が来ない期間であるのに、それはなんだか惜しい気がして、まだ疲れを引きずる体に鞭打ってベッドから起き上がる。

ベッドサイドテーブルに置いていた眼鏡をかけ、電源を落としていた携帯の電源を入れなおした。


「あ、連絡たくさん来てる……出席日数か……確かに、まずいかもなぁ」


見ればほとんど大学の友達からのもので、体調不良を休んだ口実にしているのでそれを気遣う文面と、このまま行くと三分の二をきりそうな授業のピックアップをしてくれている。

時間を見ると、次の授業には間に合いそうな時間だったので、一日の予定が決まった。

一応大学はアメリカで出ているので問題ないと言えば問題なかったが、万が一調べられた時が面倒なのと、たまたまできた友人が良い人ばかりだったのでサボり気味の人間程度には出席するようにしている。

シャツにパーカー、バックパックにジーンズという小泉Aとしての出で立ちになり、鏡の前で寝癖を直してから家を出る。


――組織では不吉な渾名を付けられているが、やはり自分の本質はまだまだ学生やりたい盛りだった。

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はちうん(プロフ) - くろさん» 結構危うい線ばかり渡っているので気を付けます。コメントありがとうございますね。 (2017年7月12日 21時) (レス) id: 52741b67fc (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - え、昴さんもアルバム見ちゃうの?コナン=新一だともろ、怪しまれるんじゃw更新待ってます。 (2017年7月11日 10時) (レス) id: 63c7811fee (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - くろさん» ありがとうございます。これからも頑張りますね。 (2017年5月16日 6時) (レス) id: 8bc22cead9 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - メンタリスト!あまりというか今まで読んだことないお話です!!続き楽しみにしてます! (2017年5月15日 15時) (レス) id: b1672a66d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちうん | 作者ホームページ:http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/  
作成日時:2017年4月27日 23時

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