第３７話 Side/Bangtan Boys ページ37
あー、と声を零してから、ゴロンと床に寝そべれば、隣に座っていたジミンも同じように体を伸ばした。
舞い降りた唐突のオフだったけれど、することが直ぐには浮かばなくて意味もなく天井の色を見つめた。
「テヒョナ、何かしたい事ある？ 僕は特に思いつかないんだけど……」
「気分転換……何が良いんだろ。街に行くとか？」
「あぁ、街。うーん、ショッピング？」
「ジミナ、何かほしい物ないの？」
欲しい物、欲しい物かぁ、と悩む様な声が聞こえる。
遊ばない人間はつまらなく育つというけれど、自分たちがそうだとは思わない。
仕事ばかりしているようで結構メンバーで楽しいこともしているし、ただ、こういう普通の時に何をすべきかわからないのはちょっとだけ大変だ。
「ほしいっていうか……楽器が見たいな」
「楽器屋さん？ そう言えば、ジニヒョンが紹介してくれた楽器屋があるけど……行ってみる？」
「紹介って？」
「軽い入場制限みたいなものだし、一回ヒョンと一緒に行ってるから大丈夫だと思う」
街にある店の場所を思い出しながらそう提案すれば、ジミンはそれで良いらしく、隣でぴょこんと体を起こした。
一応目立たないようにしないとね、と言いながら汗で濡れた練習着を指さした。
うん、と頷き返して街へ繰り出す準備を始めた。
今時の若者が普段着で着ていそうな服にマスクを着用して街へ繰り出す。
肌寒く感じる街中を速足で歩いて目指した目的地は、初めて行った時と同じく相変わらず目立たない入口をしていた。
街中にあって人の目を惹きにくいこの店が、入場制限して尚、結構広い店舗を運営していけるのは経営が良いのだろう。
此処、と言いたげなジミンを促して中に入れば、彼も初めて此処に来た時のテヒョンと同じく感嘆の声を上げた。
入口近くのカウンターでは店主が若い男相手に仕事をしていて、一瞬だけチラリと視線を向けられたが、どうやらきちんと覚えられていたようで特に咎められることもなかった。
すごい、と言いながらジミンはトコトコと楽器の並べられているコーナーに歩いて行った。
誰の色にも染まっていない楽器たちを見ているのはテヒョンにとっても新鮮で、久しぶりの行為に気分が少し明るくなった。
と、前回はあまり見る事のなかった楽器ケースのコーナーが目に留まり、そちらに足を向けることにした。
ジミンに声はかけていないが、店内を出なければ大丈夫だろうと思う。
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はちうん(プロフ) - 繭さん» ありがとうございます。意識はしているのですが、たまに変な文章を書いてしまうので、そう言っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2018年3月14日 16時) (
レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - コメント失礼します。はちうんさんの文風がすごく読みやすくて尊敬します！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 13時) (レス) id: dba4d43671 (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - KNさん» コメントありがとうございます、嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね。 (2018年3月12日 7時) (レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
KN - コメント失礼します。この作品すごく好きです。毎日チェックしてます(笑)文章がとても綺麗ですね!これからも応援してます!ファイティン! (2018年3月12日 0時) (レス) id: de585078da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U_hi | 作者ホームページ：http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/
作成日時：2018年2月19日 2時
