第24話 ページ24
起きたのは四時半ごろだった。
窓の外はまだ暗く、窓枠には室内との温度差で結露ができていた。
寝起きだったのでまだ頭はぼんやりしていたが、睡眠不足という感じはなかった。
飛行機の中で散々眠っていたのだから当たり前だ。
気分はお昼を食べた後についうたた寝してしまった感じで、頭は冴えていた。
結局、昨晩はシャワーも浴びずに眠ってしまったので服が肌に張り付いてべたべたするような、気持ち悪い感覚がある。
何をしようか、と頭の中で今日の予定を思い出して、ユナの家に行くという一大イベントに直ぐに思い当たった。
とりあえずはシャワーを浴びる必要がありそうだ。
家族を起こすことの無いように静かに浴室に移動して、脱衣所と浴室の両方に暖房をかけた。
真冬にコレを忘れて入浴すると死にかねない。
暖房が効いてくるのを待つ間に一旦部屋に戻って、今日着る服を考えた。
韓国とアメリカではクローゼットの中身がだいぶ違っていて、あちらの服に慣れてしまったAとしては、何だか不思議な感じで服を選ぶのに時間が掛かってしまった。
前にも思ったが、アメリカのクローゼットには貰い物が多い。
兄たちも服をくれたりするが、おさがりの頻度はそう高くないので、自分で買った服が多かった。
こういうのどうかな、とユナが勧めて買った服も何着かある。
その中から冬物の服を二組選んで、片方は畳んで机の上に置いた。
畳まなかった方を持って浴室に移動して、そこが十分に温かいことを確認してからシャワーを浴びる。
いつもはシャワーにそんなに時間をかけないが、今日は色々考えていたこともあって倍くらいの時間が掛かった。
帰ってきて早々、水道料金が心配になった。
着替えて、髪をしっかり乾かして、一応ユーゴから渡されたケアの液体を塗ってから顔を洗った。
ばっちり準備ができたけれど、時計はまだ六時半を指していて、暖房を消してから自室に戻る。
メールを確認すれば、昨日の夜に送ったメールにユーゴから返信が着ていた。
時差を確認して計算をしながらメールを開く。
あちらは大体16時半ごろだろう。
『写真ありがとう。いい感じに大人っぽいメイクになったみたいだ。眼鏡のお兄さんの方が理系の方の兄さんかい? それにしても、兄弟揃っていい顔立ちだね。そうそう、服を着てくれてありがとう。詐欺は上々、何件か問い合わせがあったよ』
書いているユーゴの楽しそうな顔が目に浮かぶ。
役に立てたようで何よりだ。
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はちうん(プロフ) - 繭さん» ありがとうございます。意識はしているのですが、たまに変な文章を書いてしまうので、そう言っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2018年3月14日 16時) (レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - コメント失礼します。はちうんさんの文風がすごく読みやすくて尊敬します!これからも頑張ってください! (2018年3月13日 13時) (レス) id: dba4d43671 (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - KNさん» コメントありがとうございます、嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね。 (2018年3月12日 7時) (レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
KN - コメント失礼します。この作品すごく好きです。毎日チェックしてます(笑)文章がとても綺麗ですね!これからも応援してます!ファイティン! (2018年3月12日 0時) (レス) id: de585078da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:U_hi | 作者ホームページ:http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/
作成日時:2018年2月19日 2時