第１５話 ページ15
久しぶりに韓国に帰るAの服をコーディネートしたのはユーゴだった。
彼は母親がフランス出身で服飾会社で働いていた経験があり、また、ユーゴが中学生になると同時に彼を連れて渡米し、アメリカで服飾会社を起業している。
そんな母親に似て、ユーゴもファッションに興味があり、また趣味が良かった。
サイズが合わなくなった、という理由で何着か彼の服をもらったこともあり、Aのクローゼットからユーゴが選び出した服は下着以外は彼の持ち物だった。
Aの背が小さいのではなく、周りがやたらと高身長なのだということは主張しておく。
高一の時渡米した際は１７０cmなかった身長も、今は１７５cmに近づきつつある。
「なかなかいい仕上がりだよ。Aの事を見たら兄弟、驚いてしまうだろうね」
「こんなに大人っぽく見せる必要あったかな？」
「男は大人らしさを身につけてこそだよ。問題ないね。ボクの私服だってこんなものだろう？」
足にフィットするズボンは黒色で、足の太さと長さを強調するようなデザインだった。
シンプルにダメージも何も入っていないズボンだけれど、さらりと合わせられた金と銀で細工の施されているベルトが華やかさをひっそりと添えていた。
上衣は襟と袖口に金糸で薔薇の刺繍が施されているマリンブルーのシャツに、素材の同じ黒い生地にアクセントで白の入っているベストにジャケットだった。
普段Ｔシャツに長袖のシャツを羽織って下は量産型のジーパンを履いているAには全く慣れない服装だ。
もちろん、ユーゴたちと絡むようになってからはパーティーなどの服装はコーディネートしてもらう事が多かったから初めての経験ではなかったが、それでも不思議な感じだった。
思えば私服のコーディネートは初めてかもしれない。
最後にチョチョイと目の辺りにメイクを施してからユーゴは満足気な笑みを浮かべた。
「ボクから見ても十分大人らしいよ。韓国に着いたら是非兄弟で写真を撮って送ってほしい。Aは末っ子らしいけど、きっと雰囲気だけなら上の方の兄弟と同じ感じに見えるよ」
「ありがとう、ユーゴ。何着ればいいかわからなかったから助かったよ」
「ボクの趣味だから気にしないで。そうだ、最後に空港に降りたらこれを付けてよ」
「サングラス？」
「母さんのブランドのやつさ。うまくいけば芸能人詐欺が出来て、写真でも撮られればいい宣伝になる」
いい笑みを浮かべたユーゴからサングラスを受け取った。
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はちうん(プロフ) - 繭さん» ありがとうございます。意識はしているのですが、たまに変な文章を書いてしまうので、そう言っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2018年3月14日 16時) (
レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - コメント失礼します。はちうんさんの文風がすごく読みやすくて尊敬します！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 13時) (レス) id: dba4d43671 (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - KNさん» コメントありがとうございます、嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね。 (2018年3月12日 7時) (レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
KN - コメント失礼します。この作品すごく好きです。毎日チェックしてます(笑)文章がとても綺麗ですね!これからも応援してます!ファイティン! (2018年3月12日 0時) (レス) id: de585078da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U_hi | 作者ホームページ：http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/
作成日時：2018年2月19日 2時
