第４７話 ページ47
「A、お前さ、ネットで小説書いてみる気ないか？」
「ネットで小説、ですか？」
唐突に振られた話題に、兄の真意を測りかねて同じような言葉をそのまま返す。
その言葉に頷きを返した兄は、先ほどまで何かを書き込んでいたノートの、初めの方のページを開いてAに見せた。
そのページに書かれていたのはホームページの完成予想図のようなもので、様々なコンテンツを盛りこめるようにする予定だという事がわかった。
好奇心で覗いた次のページ以降は、Aには理解できない言葉が並んでいて、諦めてノートを兄に返す。
「ホームページを作ってみようと思っててな。でも、オレは何かを作るのは好きでもその箱に入れる物はてんで作れない。だから、お前に中身を作ってほしいんだが」
「でも、これ結構な要素を詰め込むことができますよね。俺の小説だけじゃとても補えないと思うんですけど……」
「お前の友達、個性的なの多いだろ。アクセス解析の機能とかもいれてやるから、売り込んでくれないか？」
「売り込みですか？」
「そう、目的設定はなんでも構わないが、このまま兄の才能を埋もれさせたくはないだろ。それに」
「それに？」
「ネットは世界規模で情報の拡散ができるツールだ。上手くいけばお前も、お前の友達も、世界的な活動ができるぞ」
まぁ、そこは運営の力量次第だけどな、と楽しそうにガンウは笑った。
天才だから見せる事の出来る、天才特有の自信に満ちた笑み。
何処か挑発的で、Aにとって機動力となってくれるもの。
『叶うなら、世界中の人にこの言葉を届けたい』
ユナの部屋で見つけた言葉が、脳裏をよぎる。
迷っている時間はなかった。
ひとつ頷いて、兄から詳しい概要を聞いてジムたちに向けたメールを作成する。
今メールを送れば、相手にとっては早朝の着信となるだろう。
朝一番、いや、ジムはそうでも他の友人たちはまだそれぞれの国に居るかもしれない。
可能性を考え出すときりがなくて、面倒になったので情報と案を詰め込んだメールをそのまま送信する。
タイトルは【Emergency! Reply as soon as you confirm!】
――緊急！ 確認次第直ぐに返信！
メールを送って、家に着いたのは一時間ほどした後。
掛かって来た電話に母国語で出ると、戸惑ったようなジムの声が聞こえ、慌てて英語で応答する。
『A、確認したよ。僕の事はこれからリーダーと呼んでくれ！』
ノリノリのジムの声に、Aは思わず笑った。
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はちうん(プロフ) - 繭さん» ありがとうございます。意識はしているのですが、たまに変な文章を書いてしまうので、そう言っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2018年3月14日 16時) (
レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - コメント失礼します。はちうんさんの文風がすごく読みやすくて尊敬します！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 13時) (レス) id: dba4d43671 (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - KNさん» コメントありがとうございます、嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね。 (2018年3月12日 7時) (レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
KN - コメント失礼します。この作品すごく好きです。毎日チェックしてます(笑)文章がとても綺麗ですね!これからも応援してます!ファイティン! (2018年3月12日 0時) (レス) id: de585078da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U_hi | 作者ホームページ：http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/
作成日時：2018年2月19日 2時
