愛だの恋だのくだらない2【ワートリ】【WT】 (ページ13)

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54話ページ13

あの後の加古さんとの戦いは私が勝った。言ってしまえば加古さんは満足したようで本気ではなかった気がする。

ふらふらと部屋から出て本部内を歩く。今日は疲れた寝ようと心の中で決める。欠伸をしていると声をかけられた。

「宮野ちゃん、お疲れ様ー」

『あ、うん。お疲れ様』

じゃあねと横を通り過ぎようとすると隠岐は口を開く。これ以上何も話さないでほしい、ただでさえ加古さんのせいで心臓がばくばくしているのだから。

「うーん、俺的にはもっとドキドキな展開なんやけどな」

にやりと笑う隠岐。

「疲れたー言うて抱きついてくる的な…」

『なっ、何言ってるの！！』

思わず叫んで顔が赤くなるのが自分にも分かる。

「ははっ、冗談や冗談」

楽しそうに笑う隠岐の顔を見ながら歯軋りをする。どう言い返そうかと必死に考えていると、不意に声が聞こえた。

「おっAじゃねーか、隠岐もいるな」

『太刀川さん！！』

ナイスタイミングで太刀川さんが来て急いで後ろに隠れた。

「A何してるんだ？」

『気にしないでください』

太刀川さんの後ろに隠れながら隠岐に威嚇をする。すると隠岐は降参するように両手を挙げた。

「少しやりすぎたな。じゃあね宮野ちゃん、また今度」

そう言い去っていく隠岐。ぞわぞわとした寒気が全身を走る。

「何してるんだ？」

『……気にしないでください』