君の最期の夏、私の最初の春

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「ねぇ！君！」

へ？わ、私……？

「浴衣、かわいーね！お兄さん達と遊ぼうよ！」

「あ、あの……ごめんなさい、友達と約束してて……」

「えーっ、ちょっとくらいいいじゃん！いこいこ！」

グイッと思いっきり腕を引っ張られる
「い、痛……。」

「やめろよ！」

突然聞きなれた声が聞こえてくる。
もしかして……！？

「坂田君！！」

「チッ、なんだよ彼氏かよ」
「帰ろーぜ」

た、助かった？思いのほかすんなりいなくなってくれてよかった。

「あ、あの……坂田君ありがとう！」
「バカ！」

え？

「なんでもっと早く助けを呼ばなかったんだよ！Aが無茶することないだろ！」

「ご、ごめんなさい……。」

「心配、したんだから、なっ……！」

あれ？坂田君泣いてる？
しばらく沈黙が続く。
するとその沈黙を破るように

「りんご飴！」

と、坂田君が急に叫んだ。

「り、りんご飴？食べたいの？」

「うん！よし、買いに行こう！」


「りんご飴1つ！」

「あいよ、300円な！」

「えっ！300円！？」

もしかして……お金足りないのかな？

「すみません、りんご飴二つください。」
「あいよ！600円な！」

「はい、坂田君。」

「え？いいの？」

「もちろん、さっき助けてもらったお礼だよ。」

「ありがとうA！実は家にお小遣い置いて来ちゃってさ〜！
それじゃ。いただきまーす！」

坂田君がりんご飴を美味しそうに頬張る姿を見ていると表情が緩む。
やっぱり、これが『好き』なのかな？
さっき助けてもらった時も助けに来てくれたのが坂田君ですっごく嬉しくて……こう、胸のあたりがあったかくなった。
これはきっと『好き』だよね？

「私、坂田君のこと好きだ……。」

「えっ、A今のほんと？」

「へっ！？えええっっ！？口に出しちゃった……」

うわ〜どうしよう……も、もう正直に言うしかないよね……。

「A？」

「あ、あの、わ、私っ、さ、坂田君のこと、好きになっても……いいですか！？」

「も、もちろん！急にどうした？」

「私、坂田君が本当に私のこと好きで彼女にしたいって思ってるのかなって心配になって……。」

「そんなこと考えてたの？A、かーわいーなー！」

「も、もうっ！坂田君からかわないでよ〜！本気なんだから〜！」

「はいはい、わかったって。さぁ、他のところにも行こっか！」

「うん！って、あれ？坂田君？どうしたの！？」

坂田君の足が動いてない……！？

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