君と私のクロニクル 2

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『廉！』

「なんやねん、煩いなぁ。」


全教科のテストが返ってきた後の休み時間。

私は一目散に廉の席へ駆け寄った。

廉は鬱陶しそうに嫌な顔したけどそんなことはどうだっていい

だって


『見て、全教科赤点回避！それどころか人生でこんな良い点数取ったの初めて！廉のおかげだよ、本当にありがとう』


小テストの時みたいに
当たり前やってあしらわれてもいい。

とにかく私は嬉しくてそれを伝えたいだけだから。

でも、廉は全教科の解答用紙を丁寧に見て満足気に微笑んだ。


「良くやったな」

『え‥』

「教えたところ全部あってる。やれば出来るやん。」

『う、うん‥ありがとう』


まさかそんな言葉掛けてくれるなんて

驚きと戸惑いでお礼を言うのが精一杯な私を見た廉は首を傾げた。


「どうした？」

『あ。ううん！何も、本当にありがとね。廉。』

「おん。今日空いてる？」

『え？うん、空いてるけど？』

「じゃあ。いつものケーキ食べに行くか。ご褒美な。」

『っ‥うん！楽しみにしてる！』


ご褒美。だなんて
本当は私が廉にお礼をしないといけないのに

舞い上がってそんなこと考えてなかった。


「Aちゃん。テスト、凄い点数だね」

『うん。廉のおかげなんだ』


自分の席に戻って平野君と会話した後

廉の背中を見て、キュッと音を立てた心臓に手を当てた。

ドキドキして、苦しくなって、

そっか‥私、廉のことが好きなんだ。

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