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遊園地からの帰りの電車は朝より人が多くて捕まる場所なんて

どこにもない中で大きく揺れた車両に足が取られて

気がつけば廉の胸に頬が触れていた。

ごめん、そう言って

離れようとしたけど廉の腕が背中に回ってきた。


「危ないから」

『う‥‥うん、ありがとう』


こんな近い距離に、
心臓が静かでいくれるわけもなく

煩いほどに鼓動が大きくなって廉にまで聞こえないか不安だった。


降りた駅でも人は減らず

ぶつかってくる人達のせいで廉との距離が開く。


「手、掴め」


差し出された手に躊躇なんてしてられなくてしっかりと握った。


家まで送る、そう言ってくれた帰り道。

すっかり人も少なくなったその道でも廉と繋いだ手は

離れなかった。


『廉は遊園地、何が楽しかった?』

「お化け屋敷」

『えー、変なの』

「Aが怖がってんの楽しいやん」

『うわ 嫌な感じ』

「ハハ、冗談やって。んー 観覧車かな」

『あー 景色綺麗だったもんね』

「そうなん」

『綺麗だったじゃん、夕焼けと‥』


夕焼けと廉と‥その組み合わせが本当に綺麗だったけど

その続きは言えるわけもなく濁そうとした。でも

パタリと廉の足が止まって不思議に思ったら

廉の目線の先には玲奈さんが居た。



その瞬間離れた手。その手にすきま風が入って冷たくなる。


「廉お願い。話をさせて」

「‥‥A、ごめん。今日やっぱり送れない」

『え‥』


玲奈さんと並んで歩いていく廉の後ろ姿は

名残惜しさを感じる前に心臓が締め付けられて息苦しかった。

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みょん氏(プロフ) - みおさん» 初めまして!コメントありがとうございます!私はコメントにキュンキュンしました!こんな作者ですがこれからもよろしくお願いします! (2019年9月18日 22時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
みお - 初めまして♪♪ いつも、楽しみにしています!毎回キュンキュンしながら読んでいます!これからも頑張ってください!!! (2019年9月18日 21時) (レス) id: afc2f8e45b (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - reyuさん» 初めまして!コメントありがとうございます!キュンキュンして頂けて嬉しいです、今後の展開少しややこしくなっていきますが楽しんでいただけたら嬉しいので、これからもよろしくお願いします! (2019年9月18日 0時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
reyu(プロフ) - はじめまして!いつもキュンキュンしながら読ませて頂いてます!展開が気になる…!更新楽しみです!これからも応援してます! (2019年9月17日 22時) (レス) id: 508a3fc7a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みょん氏 | 作成日時:2019年9月11日 0時

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