【H×H 短編】愛は最上なり。

嫌い フェイタン ※ ページ14

気に食わない


非常に気に食わない



「…」
「…。」



Aとフェイタンは2人きりで仮宿の見張りを任されていた


他の仲間達はそれぞれの盗難目的の場所に向かっている。
所謂任されたのは留守番のようなものだった。


任されたのだからそれを熟せば良いことであるし
その間自分の好きなことをしていれば時間なんて幾らでも潰せる


お生憎様、昔から流星街でこんな生活を送ってきたことで
暇潰しの方法なんて腐る程ある






だが、Aにとって何が不満かと言えば
留守番を任されたこの組み合わせなのだ。



なんせAとフェイタンは仲が兎に角悪い。
悪いというよりもお互いに鬱陶しく感じている


この2人の関係性をクロロは充分に理解しているはずなのに
わざわざフェイタンと自分を組ませてきたことに
Aは憤りを感じていた




けれども
イライラしているのはAだけのようだった


チラリとフェイタンを見てみれば
何食わぬ顔で雑誌か何かを読んでいる


おおよそ
拷とか問とかの器具類紹介の本だろう。
Aには長い付き合いのお陰か大体の予想はできた





ああ、あいつの読んでる本なんてどうでもいい
余計なこと考えた！！


Aは頭をグシャグシャと音がなるようにかいた




どうして自分がこの男のために
こんなにもイライラして自律神経を乱さなければいけないのか


この男のことを考えている自分にも腹が立ってくる



だいたい、当初はAだってフェイタンに対して普通に接していた。
その上でこの男は、Aのことが気に食わないのか邪険に扱ってきたのだ。

だから段々とフェイタンに気を使うことも面倒くさくなってきたので
Aの方もフェイタンから距離を置くようになったのだ



元々自分の何が気に食わなかったのだろうか
とAがフェイタンの背中を睨みつけながら考えていると
フェイタンが声を出した




「何ね」
「…は？」
「ワタシに何か文句があるなら、かかてくるがいいね」
「…いや別にそんなつもりじゃ」
「さきからワタシへの殺気漏れてるよ」



しまった。無意識のうちにフェイタンに対して殺気を放ってしまっていた。
唖然とするAに向かってフェイタンは言う




「ワタシお前のこと相当嫌いみたいよ」
「…っ！」



思わずAは立ち上がった。
フェイタンはそんなAを見上げる



「私だってお前のこと嫌いだバーカ！！！」



吐き捨てたまま走ってその場を逃げた




非常ーーーに気に食わない！

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