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４限目の授業
つまらなそうに受けてる皆を遠目に私の席から遠い窓際の席を見やる
寂しく置かれたその机は暫く空いたままだ
ここ1年、蓮が教室に入るのは無いに等しい
学校に来てはいるんだろうけど
クラスの殆どが居ないような空気を出す
蓮の居場所は此処にあるはずなのに
蓮からその場所を遠ざけているような気がして
そんな事を考えていると
空しい60分はあっという間に過ぎていった
昼休み、渚と昼食を食べようとするところを教室にきた樋熊先生に呼び出される
｢どうしたんですか、先生……｣
｢吹奏楽部員を勧誘しに、ちょっと放送室を借りようと思ってね｣
｢か、勧誘って言っても誰を……？｣
｢まあまあ、2人はちょっと聞いてなさい｣
放送室に入って先生が生き生きとスタンバイする
何をしようとしてるのか、まったく検討がつかない
＜えー、本日は晴天日和なり
ワンツー
非常勤講師の樋熊です
ただ今絶賛募集中です＞
｢先生、何の募集か言わないと！｣
｢ああ、そうか｣
＜吹奏楽部員を、募集中です
体力や肺活量リズム感に自慢のある人は
これから音楽室に集まって下さい
あと、昨日来なかった部員達も今日は必ず来るように
…もうドタキャンはやめましょう＞
その言葉に渚と2人で顔を見合わせる
＜それと
青島、木藤良、安保、桑田、高杢の5人は必ず来るように！
…………音楽室で待っています！以上！＞
｢放送というのは案外緊張するなあ｣
あんなにはきはきと話していたのに
当の本人は緊張していたらしい
｢先生、あの5人を呼ぶのって｣
｢此処でもたもたしてる暇は無いですよ、
音楽室に、行きますよ｣
音楽室に入って散らばっている椅子を綺麗に並べる
｢裕人達、来てくれるのかな｣
｢青島達は必ず来ますよ｣
そういう先生の手にはサックスが
｢先生、それ……｣
｢私が現役の時に使っていたサックスです。｣
先生はサックスを持ち直し、軽く音を鳴らすと
聴き覚えのあるメロディーを奏でだした
｢………………オーネット・コールマン｣
ぽつり、気付いたらそう零していた
先生の指が1度とまる
｢よく知っていますね(名字)さん｣
｢……蓮がサックスを吹いていた頃によく演奏してくれてたんです｣
音楽に殆ど乏しい私だったけど
蓮が教えてくれたことは全部憶えていた
蓮が好きな曲、
尊敬するアーティスト、
サックスを演奏した事がない私を
優しく後ろから教えてくれたあの優しい手を
私は今でも憶えている
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rena07031121(プロフ) - すごく面白いです！更新待ってます！！ (2019年3月19日 6時) (
レス) id: 155fcacce7 (このIDを非表示/違反報告)
reixxxk(プロフ) - 更新待ってます (2018年3月23日 15時) (レス) id: 6ae3655089 (このIDを非表示/違反報告)
メロン(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2017年8月2日 22時) (レス) id: ffee882ef8 (このIDを非表示/違反報告)
smile love - すごく面白いです！何回も読んでます♪更新、楽しみにしてます！ (2017年6月24日 20時) (レス) id: de31ac6d52 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - Ｍ・Ｍさん» 更新お待たせして申し訳ないです(>_<)毎日……！本当ですか〜！とっても嬉しいです！これからも蓮とのやり取りにきゅんきゅんして頂けるよう頑張って更新頑張りますね！ (2016年9月11日 23時) (レス) id: f63534ad6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ramune | 作成日時：2016年7月19日 23時
