混戦 ページ43
パァンと音がして、目の前でイザナの顔に血が飛び散る。
直後、イザナと向かい合っていた人物が地面に膝を付いた。
「なっ………!?」
何が起こったのか分からなかった。
悟に気絶させられていた筈の稀咲がいつの間にか起きていて、イザナが稀咲から拳銃を奪ってマイキーに銃口を向けた。
瞬間、私は未来予測でマイキーの未来を覗こうとした。
けれど、それと同時に天竺の誰かが前に出て来て、イザナの持つ拳銃をはね除けた。
鶴蝶と呼ばれたその男とイザナが口論になった時、先ほどの銃声が響いのだ。
「カクちゃん!!!」とタケミっちが叫ぶ。
撃たれたのは天竺のヤツだけど、タケミっちの知り合いらしい。
「何度も何度も繰り返し…考え抜いた計画も花垣に潰された」
稀咲がまだ銃を向けたまま話し出す。
「マイキーが使えなくなった今、オレはイザナを媒体にするしかなくなった。鶴蝶、テメェはジャマなんだよ」
マズい。
撃たれたヤツは辛うじて急所を外れていたようだけれど、次撃たれればひとたまりもない。
でも、私は鶴蝶と呼ばれたヤツに触れたことがない。
どうする!?
誰の未来を見ればいい!?
考えて思い出す。
私はさっきの戦いで稀咲に触れた!!
「うぉあああ!!」と稀咲めがけて走る鶴蝶。
私もタッと走り出しながら、未来予測を使う。
「A!待て!!」と悟の声がする。
見えたのはイザナが鶴蝶を庇って撃たれたところだった。
「っ!!」
だとしたら、私がやるべき事は稀咲を止めること。
間に合え!!
そんな願いを込めて、稀咲に突っ込む。
けれど、その前に三度の銃声が辺りに響いた。
直後に私は稀咲に追突して、そのまま二人して倒れ込む。
直ぐに体を起こすと稀咲の手から拳銃を奪って遠くへ投げた。
「テメェ!何しやがる!!」
「アンタこそ!何してんのよ!!」
叫んだ直後、ゴッと私の鳩尾めがけて拳が飛んで来る。
「う゛っ!!」
咄嗟に手で受け止めて威力をころしたけれど、それでも私に中々のダメージを与えた。
「A!」と駆け寄ってきた悟によって、稀咲から引き離される。
「何でっ!イザナが…下僕を庇う!?」
稀咲の焦った声に私も現状を確認する。
「っ!イザナっ!!」
鶴蝶の隣に倒れているイザナがゴフッと口から血を吐いた。
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月見(プロフ) - 夜空ゆーたおさん» 楽しみに待っていてくださって、ありがとうございます(*^^*)先ほど1話更新しました! (2023年3月26日 8時) (レス) id: 9508b2817a (このIDを非表示/違反報告)
夜空ゆーたお(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2023年3月25日 2時) (レス) @page22 id: d76bc8bfcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2023年2月1日 20時