君の隣に 4【東リベ×呪術廻戦】 (ページ27)

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何もできないページ27

ズキッと痛む頭を押さえながら、私はゆっくり起き上がる。

「それより、エマは………？」

あの瞬間、どうなったのか何も見えなかった。

ブォン！とバイクがエンジンを吹かして走り去っていく音がする。

「エマちゃん…？……エマちゃん！」

タケミっちがエマの名前を呼ぶ声を頼りに、私はそちらへ顔を向けた。

少し離れた場所でタケミっちが倒れているエマの側に膝を付いて、エマの体を抱えている。

「っ、硝子っ！」

「分かってる！」

私の声と同時に走り出した硝子。

「タケミっち！診せて！！」

言うや否やエマに手をかざして反転術式を施してくれる。

私はフラ付きながら悟の肩を借りて立ち上がるとエマの元に歩く。

「エマちゃん…目ぇ覚ましてよ。過去で……こっちでしんじまったら救えないんだ…っ」

「……過去？」

タケミっちの言葉に違和感を覚える。

だって、今この瞬間は過去でも未来でもなくて現在でしょう？

「エマちゃんっ！！」

タケミチが涙声で叫ぶ。

エマの側まで来た私はようやく彼女の顔を見た。

頭から血を流して目を閉じているエマ。

側には傑が付けてくれた呪霊がダメージで一時的に動けなくなっていた。

呪霊がエマを庇ってくれた証拠だろう。

それでもバイクのスピードと鉄製のバットの威力だを考えると、エマへのダメージは計り知れない。

呪霊のお陰でバットの直撃は免れたかもしれないけれど、襲われた衝撃でアスファルトに頭をぶつけた可能性が高い。

「エ、…エマっ！」

「Aっ！」

私が地面に膝から崩れ落ちそうになるのを悟が支えて阻止してくれた。

何も……出来なかった。

エマが襲われること…分かってたのに！！！

悔しい！悔しい！！

涙が止まらない。

硝子が必死に対応してくれている背中が見える。

けれど私には何もできない。

「エマちゃん！！」とタケミっちが叫ぶ声。

その声に異変を感じたのだろう。

「エマ…？」

後ろから弟の声がした。