2006年─2月22日 エマからの誘い ページ22
「A、急なんだけど、明日真にぃのお墓参り行かない?」
数日後、エマからそんな連絡が来た。
恐らくタイミング的にも何かが起こる可能性が高い。
私は了承の返事をして、その日は普段通り過ごした。
*****
「で?何でアンタたちがいんの?」
「何で?って、Aのことが心配だから来たんでしょ」
「俺は任務あるから夕方までだけどな。昨日お前が妹と電話で話してから何時もと様子が違ぇし、“明日の朝”って話してるの聞こえてたから着いてきた」
私が尋ねると硝子と悟があっさり吐いた。
高専を出て数分、誰かに付けられている気がした私が振り返ると、二人が隠れもせず堂々と尾行していたというわけである。
隠れていないから、尾行と呼ぶのも変だけどこの際そこはどうでもいい。
因みに、一番来たがってたらしい傑は昨日の夕方から泊まり込みの任務だから来られなかったというわけである。
「心配してくれるのはありがたいけど、誘われたのは真にぃのお墓参りだから。つまんないし、帰っていいよ。それに教室に誰も居なかったらまた正道が怒るよ?」
いつぞやのハロウィンの時に三人でこってり絞られたときの事を思い出す。
と、悟にデコピンされた。
「痛っ!」
「バーカ、楽しいとか楽しくないとかで来てんじゃねーよ!! それに怒られるのが怖ぇなら、最初から授業なんてサボんねぇつーの!」
ベーっと舌を出した悟が先を行く。
「そう言うことだから、諦めな」
フッと硝子が笑う。
全く。
私の同期と来たら勝手なんだから………
はあ〜〜〜っ、と盛大なため息を着くけれど二人がいるのは心強いし、何より頼もしい。
「悟!待ちなさいよ!!アンタ目的地知らないでしょ!!」
私は叫びながら先に進んだ悟を追いかけた。
*****
歩くこと約一時間、久しぶりの我が家に着いた。
「佐野………って、ココお前んち?」
表札を指差す悟に頷く。
「そうだよ」
「なんか、思ってたより小っせぇな…」
「いや、十分大きいけど?」
「はぁ?普通もっとこう母屋がドーンとあるだろ!!」
悟と硝子がそんな会話を繰り広げる。
大抵の人は初めて我が家を見ると、“大きい”という。
流石、悟はお坊ちゃんだ。
感想からして五条家は私の家より大きいらしい。
139人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見(プロフ) - 夜空ゆーたおさん» 楽しみに待っていてくださって、ありがとうございます(*^^*)先ほど1話更新しました! (2023年3月26日 8時) (レス) id: 9508b2817a (このIDを非表示/違反報告)
夜空ゆーたお(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2023年3月25日 2時) (レス) @page22 id: d76bc8bfcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見 | 作成日時:2023年2月1日 20時