2017年─12月24日 百鬼夜行当日 ページ10
いよいよ、決行の日が来た。
そんな朝に傑は「弟の居場所が分かった」と連絡を寄越した。
何となく、当日ギリギリに告げられるような気はしていた。
百鬼夜行前に、私を弟の元へ行かせないために。
もしくは、私に弟探しを諦めさせるために。
最初から傑はそのつもりだったんだろう。
「詳しくは百鬼夜行の最終打ち合わせ後に話す。兎に角来てくれ」と言われて、傑たちのアジトへ向かえば全員揃っていたようで、直ぐに会議が始まった。
殆んどが初めましての人物だったけれど、この前傑が私に会いに来たときに、一緒にいた女子高生2人もいた。
この子達も参加するのか………と見れば、菜々子と呼ばれていた子に睨まれる。
………、うん。
私、この子に嫌われてるみたい。
軽く自己紹介をしてメンバーの顔と名前を覚える。
ハート型のニップルステッカーを付けた上裸のラルゥ。
傑が作った団体の金銭管理も行っている傑のサポート役の真奈美さん。
左頬に大きな傷跡がある利久さん。
そして、私を嫌っているらしい菜々子。
スマホを使用する術式を使用するらしい。
菜々子と双子の姉妹の美々子。
彼女はぬいぐるみと縄を使う術式持ちのようだ。
最後に海外から来たミゲル。
母国の術師が何十年もかけて編んだ縄を使用して戦うらしい。
見るからに彼がこの中では傑の次に実力のある人物のようだ。
にしても、呪詛師の仲間はこんなに少なかったのか………
そう思っていると、傑が私を見る。
「早速だがA、百鬼夜行開始後の彼らの未来を覗いてくれるかい?」
*****
「………最後にミゲルさんは、五条悟と戦うみたいですね。最初の方は割りと良い勝負が出きるようです」
「凄いですね。彼女にはまだ誰が誰と戦うか話していないのに、我々の役割を言ってみせるなんて…夏油様が仰っていた通り、本当に未来が見えるんですね」
真奈美さんが感心したような声をあげる。
………コイツら信じてなかったのか。
まぁ、私は暫く呪術界から隠れるように過ごしてきたから、無理もないのかもだけど。
「ふぅ〜ん、まぁ実力は有るようねぇ」
ラルゥが私の回りをくるりと回って舐め回すように見た。
「でもぉ、戦闘での実力はまだ分からないですよね〜?」
「菜々子…夏油様のお知り合いなら、きっと大丈夫よ」
「マ、猫ノ手モ借リタイグライダカラ、イイデショ」
「俺も、役に立つなら何でも良い」
こうして私は一応、仲間として受け入れられた。
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作者名:月見 | 作成日時:2022年11月8日 22時