お化け ページ6
数日が経って、エマも稽古に参加するようになった。
数日前に突然マンジローが「今日から俺“マイキー”になる」と言い出した。
まさか圭介と冗談で言い合っていたマイケルのマイキーを名乗るなんて！！と凄く可笑しかった。
「ねぇねぇ。マンジローがマイキーになったから、圭介は“エド”になるの？」
圭介に聞いたら「はぁ？何だソレ。ンなもんなる訳ねーだろ」と即答された。
あの時はマンジローとあんなに盛り上がってた癖に、もう忘れちゃったのかな？
男の子って本当に分かんないや。
＊＊＊＊＊
その日の夜、私は何時ものように布団を広げてエマと二人並んで寝る。
ウトウトしてきた頃、ボソボソと何か聞こえてきた。
「あ……そぼ………ああそぼぉ………」
ピクッと肩が跳ねて一気に目が覚める。
「いっしょにぃぃ………あそ…ぼ………」
気のせいじゃない。
体から冷や汗が吹き出てくるのが分かる。
バッと飛び起きて、隣で眠るエマの体を揺する。
「エマ！エマっ！起きて！！エマっ！！」
「んんぅ………A…？どうしたの……？」
寝惚け眼を擦ってエマが返事する。
「真にぃのところ行くよ！！」
「？………何で？」
「いいから早く！お化けが来ちゃう！！」
エマを起こして手を繋いだとき、お化けに腕を捕まれた。
「きゃあ！？」
「いっしょ……にぃぃ………」
「痛いっ！離せ！！あっち行け！」
ブンブンと腕を振って、お化けを蹴るとパッと腕が離された。
その隙に「A…？」と不安げなエマの手を引いて、部屋を飛び出ると駆け出す。
裸足なのも気にせず、庭に駆け出して真にぃの部屋に飛び込んだ。
「真にぃ！真にぃ！！助けて！！お化け出た！！」
ゆさゆさとベッドで眠る真にぃの体を揺すると、真にぃがムクリと起き上がる。
「A……？」
「真にぃ！お化けがぁ！！」
ガバッと真にぃに抱き付く。
「落ち着け。また出たのか？」
私の背中に手を回して優しく撫でてくれる。
「腕捕まれて、エマと一緒に逃げてきた」
「捕まれたのか？」
「うん、捕まれた！」
ブルブルと体が小刻みに震えているのが自分でも分かった。
「A…どうしちゃったの…？」
背中からエマの不安げな声が聞こえてくる。
「大丈夫だ。ほらエマもこっちこい。三人で一緒に寝よう」
エマと二人、真にぃの布団の中に入り込む。
捕まれた腕の痛みと恐怖に耐えるようにぎゅっと真にぃに抱き付いて、私はその夜を過ごした。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます！こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね！ (2022年8月23日 22時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー！！この小説が好きだと叫びたい！（もう叫んでる）このコラボ私得でしかない…！作者様ありがとうございます。続き待ってます！ (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます！！面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします！ (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです！！続きが気になります！頑張って下さい！ (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます！また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2022年4月2日 10時
