東卍の為に ページ48
「ったく!ぺーやん何処にいる訳!?」
不良とたまに不良に憑いていた低級呪霊を相手しながら、ぺーやんを探していた私は、ぺーやんが見つからなさすぎてイライラし始めていた。
そんな時、駐車場の隅で蹲って座り込んでいるぺーやんを見つけた。
「ぺーやん!」
駆けながら叫ぶ。
私がぺーやんの目の前に辿り着くと、彼の顔がゆっくりと持ち上がって私を見上げた。
「A………。オレ、…とんでもないことやっちまった………」
どこか虚ろな目で罪悪感に苛まれているぺーやん。
必要以上に落ち込んでいるように見えるのは、たぶん呪霊のせいだ。
力強く握った拳に呪力を込めて、ぺーやんに憑いていた呪霊を殴る。
ゴッと鈍い音がして、呪霊の体を貫いた私の拳はそのまま駐車場のブロック塀へ命中した。
私の行動に驚いたぺーやんが「ひっ!?」と声を上げる。
私は拳を下げてぺーやんを見た。
祓うことに成功して呪霊は消えた。
状況が状況だから怯えているけれど、ぺーやんの顔も少し明るくなった気がする。
「お、おい、……A………お、怒ってんの……か?」
チラリと私が殴ったブロック塀が凹んでいるのを確認したぺーやんが、私の様子を窺うように尋ねてくる。
「そう、だよな………。お前が怒るのもムリねぇよな………。オレ最低だ」
そう言ってまた俯いたぺーやん。
私は気付くとぺーやん頬をパチンとひっぱたいていた。
「そう思うなら、いつまでもクヨクヨしてないで東卍の為に動きなさいよ!自分のミスは自分で片を付けなきゃダメでしょ!!!」
活を入れると驚いた表情をしていたぺーやんの目元がキラリと光った。
「悪ぃな、A。………今の凄ぇ効いた。お陰で目ぇ覚めたワ」
そう言って立ち上がったぺーやんの目はハッキリとこの現状を映していて、もう迷いはなさそうだった。
「ん。ぺーやんが立ち直れたならいいよ。………さっきは驚かせてごめんね。私、もう怒っていないから」
呪霊を祓った時のことを謝ると「おう!」と気持ちのいい返事が返ってきた。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時