半間と私 ページ44
「うぉらああっ！！」
野郎たちの叫び声と共に、ドッ！ゴッ！ドコッ！！と殴り合う鈍い音が辺りに響く。
「おらっ！」
ぶんっ、と振られた拳を避けた私は腕を動かして次の攻撃をいなすと、相手の腕を捻り上げる。
「い゛っ！？」
そのまま背負い投げで相手を地面に叩きつけた。
「くそっ！この女、中々やるぞ！！」
私の戦いを見ていた愛美愛主数人がジリッと後ずさる。
「来なよ。半間って奴が言ってたじゃん？『女だからって手加減しない』って。だから遠慮しなくていいんだよ？」
ニッと笑うと焚き付けられたらしい一人が「このっ！！」と私目掛けて突っ込んでくる。
ソイツのガラ空きの懐に潜り込んで鳩尾に一発入れた。
「う゛っ！」と声を上げた男が地面に倒れ込む。
うーん、動きが読みやすいとは言え、男に一発当てるのは流石に腕にクる。
ふーっと息を吐きながら、手を振ってジーンと腕に響く衝撃を紛らわす。
そんな中、「Aーっ！」と私を呼ぶ歌姫先輩の声が届く。
「こんなに人数いるなんて聞いてないわよ！！？」
若干お怒りらしい先輩が叫びながら絡んできた不良を相手していた。
「せんぱーい！私もまさかこうなると思っていませんでしたぁ！！！すみませーーーん！！」
謝罪しながらヒュッと腕を振って、他のメンバーと交戦中の愛美愛主の男に付いていた呪いを一体仕留める。
弟が関わると大抵大事になるので、慣れっこだけれど、今回の事態は予想外だった。
「余所見とは余裕だな」
そんな声と共にグイッと浴衣の後ろを掴まれたかと思うと、そのまま勢いよくぶん投げられた。
「ぎゃっ！」
咄嗟に受け身を取って地面を転がった後、ゆっくり起き上がる。
「へぇー今ので受け身とれんだ？」
「…っ、半間………」
面白がるように笑う目の前の男。
その男の肩に付いている呪いが鎌のような腕を構えて私をジッと見ている。
3級の私にとって半間に付いている2級の呪いは格上。
本当なら、出来る事なら一人で相手したくない。
けれど、そうも言っていられないのだ。
「少しは楽しめそうだな」
「そのヨユーな口振り、ムカつくわね」
体制を整えると、キュッと拳を作って意識を目の前の男と呪いに集中させる。
術式を使うためにも、先ずは半間の体に触れることだけを考える。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます！こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね！ (2022年8月23日 22時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー！！この小説が好きだと叫びたい！（もう叫んでる）このコラボ私得でしかない…！作者様ありがとうございます。続き待ってます！ (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます！！面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします！ (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです！！続きが気になります！頑張って下さい！ (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます！また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2022年4月2日 10時
