君の隣に 1【東リベ×呪術廻戦】

開始の合図 ページ43

「アンタもマイキーもドラケンもまとめて鏖だぁ」

ニヤッと半間が笑う。


「だったら、こっちは返り討ちにするまで」

とは言え、この人数でどこまで出きるか分からないけど。

そう思っていると、遠くから複数のエンジン音が響いてくる。


「ふー、間に合ったか」

隆の安堵のため息にタケミっちが「え？」と不思議そうに首をかしげる。


「まさか増援？」

聞けば「そのまさかだ」と隆が笑う。


いつの間に…？と思っている間にも続々と駐車場に東卍メンバーのバイクが入ってくる。


「内輪モメは気乗りしなかったけどよぉ」

「愛美愛主相手なら思いっきり暴れられんじゃねーかよ！！」

「結果、今日が決戦になっただけの話」


「ムーチョ、ナホヤ、圭介………」

ぞろぞろと隊長達を筆頭に騒ぎの中心に人が集まる。


「東京卍會、勢揃いだバカヤロウ！」

圭介が長い髪をキュッと結んで叫ぶ。


そんな彼と目が合った。


「あ？A、何でオマエここにいんだよ？」

「何でって、お祭りに来たら清正達を見かけて、ドラケンが大変なことになってたから」

「つーか、何つーカッコしてんだ」


圭介が私を上から下まで見る。


「浴衣の裾を動きやすいように捲っただけだけど？」

「今すぐ足仕舞え。下がってろ」


グイッと圭介が私の腕を引っ張る。


「アンタたちが来たならそうしたいところだけど…」


東卍のメンバーが勢揃いしているなら、私が出る必要はない。

歌姫先輩とエマとで、ドラケンを連れてこの場を離れる方が得策だろう。


「呪われてるヤツがいるから、終わるまで下がれない」

コソッと圭介にだけ聞こえるように耳打ちする。


「あ？ンなもん見えなきゃ何ともねーよ」


低級呪霊ならそうかもしれない。

実際、ここにいる呪霊は殆んど低級だ。


けれど、ぺーやんと半間のあれはマイキーとかち合った時にどうなるか………

それが気がかりだった。


「何と言われようと、目的を果たすまで私は引かない」


私が呪霊を祓うのが先か、それとも喧嘩が終わるのが先かは分からないけど、これは譲れない。


「ったく、しょーがねぇな」

はぁーと圭介がため息を付く。


「祭りの日に大乱闘…血が踊るじゃねぇかよ。なあ？マイキー」

ふらふらとドラケンが立ち上がりながら呟くと、マイキーの側に並び立つ。


ハハと笑った弟が駆け出せば、東卍のメンバーが後に続いた。


「行くぞオラァア！！」


そんなマイキーの叫びが喧嘩開始の合図だった。

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