歌姫先輩とお祭り ページ37
「美味しい〜!」
歌姫先輩と二人、出店で買った焼きそばを頬張りながら人混みの中を進む。
「後でジャンボたこ焼き行きません?あと、ベビーカステラも!」
「あ、でもクレープも捨てがたいなぁ〜」なんて呟くと、歌姫先輩が苦笑いする。
「いいけど、食べ過ぎ注意ね」
「はーい!」
本当は金魚すくいもやりたいけど、取れた金魚を貰っても世話するの大変だし、高専の寮だと任務で何日か開けることもある。
生き物のお世話は出来ないから我慢だ。
「ねぇ、射的とかどう?」
歌姫先輩が指差した方向を見る。
色々な景品が並んだ射的の中に“特賞”の文字を見つけて大きく頷いた。
「いいですね!じゃあ特賞当てたら、次の出店で特賞当てられなかった人が奢るっていうのはどうですか?」
ニッと笑って先輩に勝負を持ちかける。
こう見えて私は射的や弓矢みたいな的を狙う類いのものは得意だったりする。
「乗った!」
*****
射的を終えた直後、雨が降り始めた。
私と歌姫先輩は雨宿り出来そうな所を探して、社殿の裏側を見つけた。
そこで人が居ないのを良いことに、先ほどの射的の文句をぶちまける。
「あれ、絶っ対インチキですよね!」
「二人とも当たったのに倒れないなんて絶対変よ!」
特賞を賭けた勝負は引き分けだった。
初めから特賞だけに狙いを定めていた私たちは、オマケのポケットティッシュしか貰えなかった。
けれど、歌姫先輩も凄く上手くて二人とも1発外した以外は全部特賞の的を捉えていた。
「かといって、呪力を使えば的を壊しちゃいますしね。……あ、でもインチキならいっそ壊した方が良かったですかね?」
だったら、後でもう一回!
と、私が拳を付き出して言えばスッと先輩の手が伸びてくる。
「やめなさい。高専の外で呪力使って揉め事起こすなんて、上にバレたら面倒なだけよ」
「はぁい」
返事をして、来る途中で買ったクレープを頬張る。
「…A、本当に良く食べるわね」
そう言った歌姫先輩の視線がクレープに注がれている。
「歌姫先輩も一口入ります?」
「私はベビーカステラで十分」
「あ、私も食べたいんで、少し残しておいてくださいね」
そう付け足すと、まだ食べるの?といいたげな先輩が「あぁ、…はいはい」と呆れ顔で頷く。
そうやってモグモグしながら話していると、雨音に混じって近くで声がしていることに気がついた。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時