ヒナの想い ページ31
「エマーっ!」
翌日。約束の公園で待っていた私はやって来た妹に手を振る。
「お待たせ」
「私もさっき来たばっかりだよ。………それで?隣の子がヒナ?」
妹と一緒に歩いてきたショートカットの可愛らしい女の子に視線を向けると、彼女がペコリと会釈する。
「橘日向です」
「ん。私は佐野Aよろしくね。私のことは好きに呼んで」
そうやって軽く自己紹介をした後、三人で歩き出す。
「Aさんはエマちゃんとマイキーくんのお姉さんなんですよね?」
「そうだよ」
「その…Aさんもお強いってエマちゃんから聞いたんですけど……」
ヒナが落ち着きなくモジモジしながら尋ねてくる。
「あー、うん。家の道場で稽古してたからねー」
あと呪力の方もあるけど。
なんて思いながら、具体的なことは伏せてふんわり濁すとエマが付け足す。
「ヒナも強くなりたいんだって!」
「うん?」
強くなりたい?
「タケミっちを守りたいんだよねー」
エマがニコニコしながらヒナを見ると彼女は照れ臭そうに微笑んでいた。
「女の子のAさんが強いって聞いて。だから私に強くなる方法、教えて下さい」
私を見るヒナの瞳がキラキラと光っている。
『じゃあさ、いつかジブンが強くなってチーム作るってなったらA、入ってくれるか?』
いつかの幼なじみの千咒と重なる。
最近会ってないけど、元気かな……
一般的に女子は男子に、……特に好きな人から守られたいと思っている人が殆んどだろう。
そんな中、タケミっちを守りたいと言ったヒナは本当にソイツが好きで、大事で仕方ないという気持ちが伝わってくる。
マイキーの友だちだというタケミっち。
そして、こんな可憐で可愛らしい女の子に“守りたい”と思わせるようなタケミっち。
今の私にはこのぐらいしか情報がないけれど、タケミっちとやらは愛されキャラなのか?
「大したこと教えられないけど、それでもいいなら…」
強くなりたいというヒナにそう返すと「ありがとうございます!」と彼女が喜んだ。
「ところでさ、そのタケミっちってどんなヤツ?」
聞くとエマが「うーん」と声をあげて少し考える。
「ウチの下着姿見たくせに逃げた…いくじなし?」
「は?」
妹の放った言葉が一瞬信じられなくて頭の中で繰り返される。
エマの下着姿を………見た……だって??
「はぁあああっ!?」
私の怒りの篭った叫び声が辺りに響いた。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時