君の隣に 1【東リベ×呪術廻戦】

2017年─7月19日 武道と直人 ページ29

「なぁナオト。この先、過去のヒナに自分の未来を伝えたらどうかな？ナオトの時みたいに」


自宅での作戦会議の最中、そんなことを言ってきた武道にナオトは「却下です」とキッパリ告げる。

“普通そんなことを信じる人は居ない”と伝えると、武道はあからさまにしょんぼりしていた。


「この前の件で千堂は死んで、あと少しで居所がつかめそうだった佐野の姉、佐野Aも数日前に突然失踪し、行方を眩ませました。もう佐野に会う事も出来ません」


───佐野A。


佐野万次郎の姉で東京卍會幹部。

ちょくちょく何件かのビル屋上で場地圭介と共に目撃情報が上がっていたが、ある日を境に二人ともパッタリと姿を見せなくなったのだ。

そのうちの一つのビルを調べると大量の血痕の痕跡があったのだが、彼女たちの失踪についてはそれ以上深入りするなと警察の上層部から通達があった。


怪しい点は沢山あるが、何か見えない力が働いているらしい。

ほとぼりが冷めるまで下手に動くことが出来ない。

佐野Aに関する情報は殆んどが黒塗りで、まともな資料も無いため、何かしらの圧力が働いていることは明白だった。

まだ不確かな情報が多かったので、失踪の件について直人は武道に深く説明しなかった。


佐野Aの詳細はもっと情報を掴んでから話そうと決めて、直人は椅子に座って机に向き合っていた体を武道の方に向ける。


「姉を救う為には、やはり過去に戻って東卍をどうにかするしかない」

「振り出しに戻る…か。はあ…ドラケンさえ生きていたらな！」


そんな武道の呟きから、二人の会議は進んでいく。





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「8月3日、龍宮寺堅を救う！！このミッションがうまくいけば全員救えます！！」

過去に起きた事件と今ある手元の情報を元に、直人は宣言した。


「ドラケンもアッくんも、ヒナも？」

まだ少し半信半疑の武道からの問いかけに「はい！」と頷く。


「最高じゃねぇかよ。絶対ぇ、ドラケンを救ってくるぜ！！」


「お願いします！」


そうして二人は固く握手を交わした。

2005年─7月下旬 電話→←話がしたかった

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