変わった ページ26
「随分探したよ」
屋上にスタッと降りてきた悟が呟く。
「……オマエ、確かAと同じ学校の………」
圭介が思い出したように口にすると「五条悟でーす」と名乗る目の前の男。
「何しに来たの」
「何って勿論、呪術規定9条に基づき呪詛師、佐野Aを処刑しに来たんだよ」
私の問いかけに目の前の悟は飄々と告げた。
「アンタ、雰囲気変わったね」
「それはどーも」
「ってか、久しぶりに会った同期に言う言葉が物騒すぎ。そう言う失礼な所は変わってないね」
「そう言ってもらえて嬉しいね。Aもそういうところ全然変わってない」
「……………変わったよ。私もアンタも………変わった。あの頃とは全然違う」
そうだ。
アンタが好いていた佐野Aはもう居ないのだから。
少しおちゃらけて見せていた悟が私の言葉でスッと真面目な態度に戻る。
「何で一般人に手を掛けた」
「………分かってるくせに。弟と仲間を守るためだよ。私は今そう言う世界にいるの。そんな私がたまたま呪術が使えた。ただそれだけ。それに一般人って言っても、みんな裏社会の人間よ」
圭介が前に出ようとするのを私は手で制止する。
「圭介は下がってて。相手は御三家で呪術界最強の男なの。そこまで言えば圭介も少しは分かるでしょ?」
幼い頃、私が自分の力を正道から聞いたとき彼はその場にいたのだ。
圭介は私の周りでは家族以外で唯一呪術のことを知っている人間だ。
「………ムリすんなよ」
そう言って引いてくれる圭介はやっぱり優しい。
「ついでにさ、傑の居場所知らない?」
「傑?そんなの知るわけないでしょ」
「えー?そう言いながら連絡取ってんじゃないの?」
包帯で目を覆っている悟は何を考えているのか分かり難い。
それでも包帯越しに悟が私をジッと見るのが分かる。
「取ってない。大体、傑がやろうとしていることは私の大切なものを壊す事。土下座して頼まれたって協力するつもりは毛頭ないね」
「Aが嘘を付いてないみたいで嬉しいよ」
「煩い!用が済んだならさっさと帰れ!」
回りくどいやり取りにイライラが募って声を上げる。
「…まだだ。まだオマエを処刑してない」
告げて、悟が目を覆っていた包帯を外す。
相変わらずの綺麗な彼の瞳が私をジッと捉えていて、吸い込まれそうな感覚に陥った。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時