弟のこと ページ24
神社を出て数分ほど歩いた。
あれから私達の間に会話はない。
ってか悟のヤツ、マイキーのこと何で聞いてこない訳?
と、逆にモヤモヤしてきた私は痺れを切らして口を開く。
「ねぇ、さっきどう思った?」
「どうって?」
「いやいや、何で惚けんの?六眼で見たでしょ?私の弟!」
言えば「あぁ」と頷く。
やけに大人しくて薄い反応に拍子抜けだ。
「…悟、アンタ人に気ぃ使えるヤツだったの?」
「はぁ?それどういう意味だよ」
「いや、絶対何か言ってくると思ったから。何ならあの場で動き出すのかなって、ヒヤヒヤしてたぐらいだし………」
不安に思ってたことを吐き出すと、肩の力が抜けて自然と視線が下がった。
あぁ…私、気を張ってたんだ…とそこで初めて気が付く。
「あいつ、いろんな奴から恨まれたり妬まれたりするだろ。呪いに憑かれてる」
「うん…」
マイキーはいつの間にか“無敵のマイキー”と呼ばれるぐらい強くなった。
だから、必然的に他のチームから目をつけられやすい。
「1体、というよりは、複合体っての?とにかく大元となった呪霊に合体する形で複数の呪いが大きな一つの呪いになってる。特級に分類されても可笑しくねぇレベルだ。…兎に角、複雑な呪いってことはすぐ分かった」
「……そっか。本当に悟の目は何でも分かるんだね」
ハハハと笑うと「何でもってことはねぇよ」と悟が言う。
「あの呪いは簡単には祓えねぇし、解くのはもっと難しい」
「悟でも難しいの?」
「まず安全に祓うなら憑かれてる本人と切り離す必要がある。それに、夜なのに本体が出てこなかった。だから切り離しようがねぇ」
「あぁ。あれはマイキーの負の感情に左右されて出てくるからね」
言えば、彼の目がサングラス越しに少し見開いた。
「見たことあるのか?」
「何度か。その度に何とか出来ないか考えたけど、私じゃあ到底敵わないからさ。周りを傷付けさせないことと、マイキーを止めるので精一杯」
「お前3級だからな。せいぜいそんなもんだろ」
ハハッと笑った悟にムッと言い返す。
「ちょっと、またバカにしてるでしょ!?」
「いーや、頑張ったんじゃねぇの?お前なりのやり方でその場を納めたんだろ」
「っ!?」
………嘘。
悟が私を褒めてる!?
「ねぇ悟、変なもの食べた?」
聞けば悟が「は?」とあからさまに不機嫌な視線を向けてくる。
「悟が私を褒めるなんて変だよ」
「俺だって人を褒めることぐらいあるわ!」
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時