腹立たしくも楽しい ページ16
呪術実習のあと教室の中、ムッスーと不貞腐れている白髪の長身がいた。
「そんなに悔しかったのかい?」
傑が机に肘を付きながら悟の顔を覗き込む。
「当たり前だろ」
「まぁ、でも悟の過信が招いたことだよ」
「特級の俺が同じ特級のオマエならともかく、3級術師に負けるとは思わねぇだろ」
「えっ!?傑も特級なの!?」
机が近いので聞こえてきた会話に席から立ち上がって反応する。
六眼と無下限呪術持ちの悟が特級なのは有名な話しだったけれど、まさかこんなに近くに二人も特級が居るなんて!!
「特殊な術式だからね」
「なるほど」
「そう言えば硝子は実習参加してなかったけど、なんで?」
「私は戦うとか無理。その代わり、怪我したらすぐに私の所に来なよ。反転術式で直してあげるからさ」
「硝子、反転術式使えるの!?」
「うん」
「す、凄い………」
私の同級生たちやばくないか?
あれ?待てよ?
じゃあ特にこれと言った特技もなく、等級が低いのって私だけ!?
「硝子は無理する必要はないけど、それでももう少し積極的に参加した方がいい。何かあったとき、自分の身は自分で守るしかないからね。それから、悟は力を過信しないこと」
傑が硝子と悟に言い聞かせている。
「はいはい」と適当にあしらう硝子と黙り込む悟。
私はそんな悟の顔を覗き込む。
「私に負けたことそんなに悔しいんだ?」
「うるせぇ」
「言ったでしょ?人を見た目で判断しちゃダメって。それと負けない自信もあるって」
「勝てないかもしれないとも言ってただろーが」
「いやぁ〜、まさか勝てるなんてねー」
あははっ、と笑って見せる。
すると、またまた悪態を付かれる。
「一回勝ったぐらいで調子に乗んなよ」
そんなのもう乗れるわけないじゃん。
だって、こっちの手のひらは全部悟に筒抜けだし、不意打ちなんて同じ相手に何度も決まるものじゃない。
でも、そんなこと言ったらどーせコイツは調子に乗ってまたバカにしてくるだろうから言わないけど。
「そっちこそ。私のことバカにするのやめてよね!」
フンッと顔をそらす。
悟と話すといつもバカにされて腹が立つのに、少し楽しくも感じる。
私は今まで煩い仲間たちに囲まれてきたから、こういう騒がしさを求めているのかもしれない。
変なの………
そんな事を考えていると正道が教室に来て、座学の授業が始まった。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時