君の隣に 1【東リベ×呪術廻戦】

勝敗の行方 ページ15

「おらよっ！」

傑の攻撃をかわした悟が私めがけて拳を飛ばしてくる。


サッと腕でガードの体制を作ってその拳をいなした。


悟の体勢が一瞬崩れる。


貰った！！

首の後ろめがけてビシッと腕を振り下ろす。


が、それはまたしてもビタリと悟の体に振れる前に寸止めされる。


「っ！！」


コイツ！後ろにも目があるの！？

そう思わせるほどに不意打ちを狙ったつもりの私は驚いた。

振り向いた悟の左目が私を捉えていて、ゾクッと背筋が凍る。


バッと飛び退いて一旦距離を取る。

その間にも傑が呪霊を出して悟に攻撃をしていた。


一瞬、怯んでしまった。


くそっ！

悔しい！悔しい！！


グッと拳を握る。


「何だよ、もう終わりか？あんなに偉そうに言ってたくせに大したことねぇな？」

ハハハと面白がるような声がする。


ここで終わらせるわけないでしょ。


ダッと地面を蹴ると、傑の後ろから悟に飛び込んでいく。


悟の顔面目掛けて拳を振りかざしながら、タンッと左足で地面を蹴って高く飛び上がる。

拳が悟に届くことなく終ると彼はニッと笑った。


けれど私は即座に空中で体を捻ると、右足で彼の側頭部に深く蹴りを入れる。


悟が咄嗟に受け身をとって、その体が私が蹴りを入れた方向に倒れ込む。

私はそれを見届けて、低い体制でトンっと地面に着地して悟を見た。


そこには少し信じられないような顔で座り込んで私を見ている悟の姿。



「やっぱり、油断してるときは無限出してないんだね」


ニッと笑って見せると、その顔が赤く染まる。


「あれ〜？怒らせちゃった？ごめんね？？」


皮肉を込めて、わざと煽るように話しかける。


「や、やりやがったな！！」

そう言って悟が立ち上がったその時だった。


「そこまで！」


正道の制止で私たちはピタリと動きを止める。


「勝者は佐野・夏油ペアだ」


「はぁ！？何でだよ！！」

「悟、自分の力を過信して油断したな？今のが実践だったら、Aの蹴りのあと、他の敵にやられてもおかしくないぞ」

「だからって、まだ決着付いてねーだろが」

「いーや、オマエたちの敗けだ。Aの飛び蹴りが入った時点で決着は付いたんだよ。何しろ一人、勝負を放棄しているヤツがいるからな」


正道が「ほら」と言わんばかりにグラウンドの端に視線を向ける。


そこには硝子の姿があって、私たちが一斉に視線を送ったことに気づくと「やっほー」と手を振っていた。

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