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そしてHIROさんの部屋の前に着く。





コンコン





H「どうぞ。」


『失礼します』


H「おぉ、Aか。どうしたの?」




仕事中だったにも関わらず、きちんと私のほうに
向かって座り直してくださるHIROさん




『……シェアハウスのことで、お話に来ました。』





緊張で声が少し掠れてしまう。




でもHIROさんは表情ひとつ変えずに、
むしろやっぱりかという雰囲気だった






H「うん。……条件では、あと4日だな。」



『はい、……それのことなんですが、』







言いかけて途中で止まる。








さっきまではシェアハウスの期間を
延長してもらうことばかり考えていたのに。






HIROさんの真剣な目を見て、





自分が電話で頼まれたことを思い出す。








最初は大好きなHIROさんの
役に立ちたくて始めたこのシェアハウス







それなのに、私的な理由で、私のわがままで、
HIROさんに迷惑をかけていいの?


手を煩わせていいの?







そう思うと中々言い出せなかった









『……。』







何かを言いかけて途中で止まる私の
言葉を待っているHIROさんが視界に映る








H「A、」








ふと、名前を呼ばれて俯いていた顔を上げる









H「わがまま言ってもいいんだよ」


『っ!』



H「俺は多分今Aが言いたいことを言っても迷惑だとは思わないだろうし、煩わしくもない。これは間違いない」





私の目を見て真剣に話すHIROさん。






H「それに、Aは俺の大切な娘だよ。」








娘の言いたいことを真剣に聞かない親なんて
いないよって優しく微笑みながらそう言った。






『……ッ、ひろ、さん…っ!』




H「うん、なに?」






私の頬には静かに涙が落ちる








『わたっし、……









三代目の皆と、ッ……まだ、一緒に、居たい…っ!』









しまいにはボロボロと泣き出してしまう始末で。









HIROさんの優しさに、


温かさに、涙が止まらなかった









H「A、」



名前を呼ばれる




H「シェアハウスの最終日、もう一回事務所においで」







それがHIROさんの答えだった。








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SAKANA - すごく面白かったです (2019年3月27日 10時) (レス) id: 5f65d21e4b (このIDを非表示/違反報告)
Hono - すっごく面白かったです!小説を作るのが上手すぎて!大好きです! (2018年1月17日 23時) (レス) id: 385883160a (このIDを非表示/違反報告)
mako3dm(プロフ) - ほんっと面白かったです! 三代目だけでなくいろんなメンバーが出てきたり、呼んでてずっと主人公になりたかったです笑  ずっときゅんきゅんして、ぼろぼろないてました! (2016年8月26日 16時) (レス) id: 2a369ab4ee (このIDを非表示/違反報告)
藤井はるか(プロフ) - 凄い面白かったです!最後HIROさんなのがまたよかったです! (2016年5月21日 14時) (レス) id: a4e2e19275 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - すっごく、キュンキュンしました。番外編が見たいです! (2016年1月7日 23時) (レス) id: 88dde74b1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おたま | 作成日時:2015年3月24日 23時

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