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籠の中の鳥はもう終わり。
｢時に、Aさん｣
『はい』
｢堅気に戻りましょう｣
『…はい？』
まさか、こんな終焉だなんて思ってもいなかったけれど。
どうして今このタイミングなのか疑問を抱いて部屋のソファーに座り直し彼に顔を向けるが、一ノ瀬さんの表情は真剣そのものだった
｢Aさんを救い出す事を考えた時からずっと…ずっと考慮していた事です。貴方は私の手で救い、堅気に戻そうって｣
『堅気にって…一ノ瀬さんはどうされるんですか？』
｢私は別にどうにもなりません。…ですが貴方は違います、貴方はこんな世界に居るべき人間ではありません。まだ、間に合います｣
…違うのだ。間に合う、間に合わないじゃない。
そう言いたかったが胸中は"あー、遂に言われちゃったか"なんて軽いものだった。
動揺も困惑もしていない。だけど、カチコチと時計の秒針が進む音だけがやけにハッキリと室内に響いているのも、彼の視線もとても居心地が悪かった
｢…何を迷ってるんですか？この世界に貴方が居るのは決して望んだからじゃ無いでしょう…。言わば貴方は被害者なんです｣
『…でも、』
｢大丈夫です、後のことは心配しないで下さい。彼方等の暮らしのことも全て我が月島組が全力でサポート致します｣
今までずっと泳がせていたのに、今更被害者だなんて。
しかし、有無を言わせない物言いに言い淀んでしまう。
そもそも、｢堅気に戻りましょう｣と言われた時点で拒否権のない私の答えは決まっている
詳しく話を詰めて行くと、私の生活に不自由が無いように住処の確保、職場、その他必要書類を纏めてくれたらしい。"普通の人"として生きていけるように、と。まるで甘い蜜のようだ
｢……私としては心苦しいですが、大切なAさんの為だと思っています。それでは、1週間後迄には手筈を整えておくのでご準備の方よろしくお願い致しますね｣
『…分かりました。』
粗方話終わると彼は部屋を後にした
静寂が訪れた部屋で私は1人物思いに耽っていると同時に笑みが溢れて天井を見上げた
あーあ。"今度こそずっと一緒に居てください"って言ったのにね？一ノ瀬さん、意外と詰めが甘くて片腹痛いなぁ
ごめんね、嘘を見抜くのだけは得意なの。
何もかも貴方から貰ったものは全部擬い物だって知ってたよ
生憎、無抵抗なだけでそんなに馬鹿じゃ無いの。
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ふ菓子ちゃん - 神……とてつもなく神作だった……完結おめでとうございます！めさんこ大好きです！これからも陰ながら応援しております (2020年11月11日 20時) (
レス) id: 73bbb4d5f8 (このIDを非表示/違反報告)
まつり - 完結おめでとうございます！極道モノとオチナシが大好きなので、神作品だと思いますほんとうに！！めちゃめちゃ大好きです！これからも応援しています！！ (2020年3月26日 16時) (レス) id: 9861bf3927 (このIDを非表示/違反報告)
おたま(プロフ) - イノマ。さん» コメントありがとうございます！これからもまた別の作品でお会いできたら幸いです！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
おたま(プロフ) - いぶさん» コメント頂き本当にありがとうございます。いぶさんにとって最高の小説になれたこと光栄に思います。ありがとうございました (2020年3月2日 23時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
おたま(プロフ) - OTONEKO♪96さん» そう言って頂けて幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：団子侍
x他1人 | 作成日時：2020年1月9日 0時
