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｢全てどうしようもないくらい愛おしい｣
俯く私は彼の触れる程度の力で呆気なく上を向かされた。ジッと熱い視線が絡み合うその様子は傍から見ればきっと恋人同士で。そもそも私が返事をすれば本当にその関係になれるというのに、なぜ怖気付いてしまうのか。
私は、昔からそういう女だったから。目の前に置かれたお肉にかぶりつくのを躊躇ってしまうようなビビりで、小心者なそんな女。そのくせ、突き放すことすらできず、あぁなんて嫌な女になってしまったのか。
｢まだ答えは待ちます。貴女が自分から言ってくれるその日まで｣
スルッと触れられていた手が離れていく。先程まで彼の手があった頬が熱を持ってその熱がどんどん広がっていく。苦しいほどに脈打つ心臓を抑え込みたくなる。これ以上喋っていられない。
｢じゃあ……またね｣
｢ええ。家に着いたら連絡してな。心配やから｣
ほんとは送らせてもらえると有難いのですが。
好きだとか嫌いだとか、そんなのを関係なしに家を知られるのは何処か抵抗がある。そんな話をしたことをちゃんと彼は覚えていた。お気持ちだけで十分と告げてから今日はありがとうと礼を述べると彼は
柔らかい笑みを浮かべた。
くるりを踵を返した彼が、角を曲がるのを見送ってからわたしも家の方向へと歩き出す。
意気地無しの私とそんな私に最終的な決定はすべて任せるずるい彼の気持ちがはっきりと通じ合う日はいつなのか。いつなのか、知りたくないけど、知りたいようなそんなもやもやは真っ暗な夜にぴったりだった。このジメジメとした梅雨の空気がカラッとする頃には想いを伝えれたらいいな、なんて。
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れいん(プロフ) - 守りたい君凄く良かったです！壁がある話が好きなので、どストライクでした!!それと、続きがめっっっっちゃ気になります!!! (2018年7月1日 1時) (
レス) id: 3ac9bf0b7c (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - 翠音さん» コメントありがとうございます！！甘酸っぱい感じで書きたかったのでキュンキュンして頂けて嬉しいです...！！これからもよろしくお願いします！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - とももさん» コメントありがとうございます！自分でも気に入っているのでうれしいです！続きは書くかは未定ですがまた書いたら見ていただけると嬉しいです！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
翠音(プロフ) - あぁ〜、コネシマさんありがとうございます...コネシマさん大好きすぎてキュンキュンしてました... (2018年6月16日 9時) (レス) id: fe12b8e0a9 (このIDを非表示/違反報告)
ともも(プロフ) - シッマのお話が好きすぎて…続きがあるなら読んでみたいです！ (2018年6月16日 1時) (レス) id: 5c3f676089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：からわさ | 作成日時：2018年6月10日 11時
