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あまり食い下がってしまったらまた恥ずかしい言葉をかけられてしまうので、諦めて立ち上がろうとしたらスッと椅子を引かれた。彼がこういうことをいとも容易くしてしまう事をすっかり忘れていた。酒のせいだ。今どき、こんなエスコートをする人なんているのだろうか。椅子を引き、荷物も持ち、段差があれば手を差し伸べて。
はぁ〜〜〜〜〜〜〜！！恥ずかしいわ。別にダメなわけじゃないんだけどね。ただ単に恥ずかしいだけだから。まぁ、せめて荷物くらい持たせてもらいたいな。
｢次はいつ会えそうですか？｣
｢うーん、よくて１ヶ月後かな｣
｢そんなに空くんか……｣
シュン、と耳が垂れるような声。少し母性というかなんというか愛情に似た感情が湧き出てくるからその声といかにも寂しいという顔はやめてくれ。
｢夜遅くなってもいいなら電話くらいはできる｣
｢声聞いたら会いたくなっちゃいそうやな｣
｢………出来るだけ早く時間作るから｣
我ながら弱すぎないか。いつもは豪快な笑い方をするくせに、こういう時だけ弱く見せるのはずるくないか。こんなギャップさえも計算のうちなのかなんなのか、わからないけれど、やられはじめているのは事実で変わりない。だからどうか。
｢会えない時間が愛を育てるから次君と会った時、私は君のことをもっと好きになっているんでしょうね｣
｢よくも恥ずかしげもなくそういうことを言える｣
｢事実やからね。君のその冷たい口調ながらも優しい声も私を真っ直ぐに見てくれる目も｣
スリ、と頬を撫でられ身を縮こませる。やばい、彼が続ける前に口を挟もうとしたらもう片方の手の人差し指が私の唇を触れた。ひぇっ………
｢私が好きだと言った服を律儀に着てきてくれるところも｣
……勘弁してくれ。
｢奢られるのが当たり前だと思っていないところも｣
勘弁してくれ
｢真っ赤な顔を隠すように俯くところも｣
………
｢会う度に心の迷いが見えるところも｣
すべて、見透かされている。賢い彼が気づいていないはず、なかったのに。何も言われないことをいい事に甘えていただけなのかもしれない。答えを出さなくてもいい今の状況に。彼のことを好きではないと言いきれなくなってしまった状況に。心の奥の想いと向き合う必要のない状況に。
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れいん(プロフ) - 守りたい君凄く良かったです！壁がある話が好きなので、どストライクでした!!それと、続きがめっっっっちゃ気になります!!! (2018年7月1日 1時) (
レス) id: 3ac9bf0b7c (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - 翠音さん» コメントありがとうございます！！甘酸っぱい感じで書きたかったのでキュンキュンして頂けて嬉しいです...！！これからもよろしくお願いします！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - とももさん» コメントありがとうございます！自分でも気に入っているのでうれしいです！続きは書くかは未定ですがまた書いたら見ていただけると嬉しいです！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
翠音(プロフ) - あぁ〜、コネシマさんありがとうございます...コネシマさん大好きすぎてキュンキュンしてました... (2018年6月16日 9時) (レス) id: fe12b8e0a9 (このIDを非表示/違反報告)
ともも(プロフ) - シッマのお話が好きすぎて…続きがあるなら読んでみたいです！ (2018年6月16日 1時) (レス) id: 5c3f676089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：からわさ | 作成日時：2018年6月10日 11時
