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｢よかったぁ……｣
下を向いたまま聞こえた安堵の声。聞き間違えたかと疑う。バッと顔を上げた彼の瞳の中は『喜』の感情で満たされていた。
｢ちゃんとAちゃんも嫉妬してくれてるんや。｣
｢え、？｣
｢Aちゃん、我慢するのが大人やと思ってる節あるやろ。｣
｢う、ん。｣
驚きのあまり涙はいつの間にか引っ込んでいて、彼の嬉しいという感情が全面に出ている表情がよく見える。いつもの大人でかっこいい表情とは違って、大の大人に用いるには適していないかもしれないけど、少年のようで、可愛い。
｢嫌やと思ったら、嫌やって言ってや。｣
｢でもそんなの……｣
束縛じゃん。そういうと彼はポカンとしてからまた少年のような笑みを見せた。綺麗な三日月型の瞳が綺麗。
｢大好きな子に束縛されて嬉しくない人がおる？してや束縛。｣
｢だい、すき……｣
｢うん、大好き。だから束縛して？｣
｢でも、そんなの子供っぽくなっちゃうよ。｣
｢ええやん。子供で。｣
｢よくないよ、釣り合わない。｣
｢どこで、どう判断してるんか知らんけど僕も子供やで？｣
子供、大先生が？信じられない、そんな目で彼を見つめる。嬉しそうに微笑んだままの彼は私を抱き寄せた。嫌な知らない香りするけど、それよりもその奥にある彼の匂いが強くする気がした。
｢Aちゃんに嫉妬してもらうために必死やったんやで。｣
｢泊まりたくもないのに男の家泊まってさ、なんが適当に甘い匂いする香水かけてさ。虚しいわ。｣
｢……なに、してんの。｣
｢それで帰ってもAちゃんは嫌そうな顔ひとつせんし、なんでそんな平気なんやろって。｣
｢平気なわけないじゃん。｣
｢僕さ、今までこうやって嫉妬させて気持ち確認する方法しか知らんねん。｣
｢……歪みすぎ。｣
｢僕もそう思う。やけど知らんから、不安やってん。Aちゃん全然嫉妬せぇへんから。｣
彼の腕の力が強くなって、抱きしめ返すと小さく笑い声が聞こえた。少し苦しいけど、これくらい苦しい方が彼の匂いがさらに強くなる気がして。この忌々しい香りを嗅がなくて済む気がして。
｢でも今日、ちゃんと言ってくれて嬉しかった。｣
しかも泣いてまで、なんて余計な一言を付け足す彼を抱きしめる腕の力をさらに強める。痛い痛い、なんて言う彼の言葉は無視無視。
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れいん(プロフ) - 守りたい君凄く良かったです！壁がある話が好きなので、どストライクでした!!それと、続きがめっっっっちゃ気になります!!! (2018年7月1日 1時) (
レス) id: 3ac9bf0b7c (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - 翠音さん» コメントありがとうございます！！甘酸っぱい感じで書きたかったのでキュンキュンして頂けて嬉しいです...！！これからもよろしくお願いします！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - とももさん» コメントありがとうございます！自分でも気に入っているのでうれしいです！続きは書くかは未定ですがまた書いたら見ていただけると嬉しいです！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
翠音(プロフ) - あぁ〜、コネシマさんありがとうございます...コネシマさん大好きすぎてキュンキュンしてました... (2018年6月16日 9時) (レス) id: fe12b8e0a9 (このIDを非表示/違反報告)
ともも(プロフ) - シッマのお話が好きすぎて…続きがあるなら読んでみたいです！ (2018年6月16日 1時) (レス) id: 5c3f676089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：からわさ | 作成日時：2018年6月10日 11時
