7Hz〜万里side〜 ページ9
「万チャン！彼女いたなら何で言ってくれなかったんスか！」
「......は？」
寮に戻るなり太一の口から出た爆弾発言に寮内がザワつく。
説明を求めてわらわらと太一の周りに集まり始める人たち。
「とぼけても無駄ッスよ！？さっき劇場で楽しそうに女の子と喋ってるのしっかり写真に収めといたんで！」
「おい何してんだよ......」
目の前に突きつけられたスマホには遠目ではあるが太一の言う通り、俺とAが談笑しているところが撮影されていた。
交代に太一のスマホが人の手に渡り、口々に感想を述べていく。
「やっぱり万里くんイケメンだしモテるんだね！」
「いやいや、監督ちゃん違うから」
じゃあ誰？ときょとんとし始める劇団員。その不穏な空気を破ったのは夏組のあの人だった。
「あ〜！オレ、この人知ってるよ！」
「えっ、すみーと知り合い！？」
「んっとねー、あの猫ちゃん連れてきてくれた人！」
そういって指さしたのは部屋の隅に丸くなって眠っている、足に包帯が巻かれた猫。
Aが連れてきてくれた猫は怪我の手当てをし、完治するまで寮で預かっている。
だから三角の記憶は正解。
「そゆこと。三角に何かお礼しといてって言われてチケット渡したんだよ」
「楽しんでくれたかな？」
「びっしり書いてるアンケート用紙預かったから楽しかったんじゃねぇの？」
「そっか、ならよかった！」
ニコッと笑う監督ちゃん。
台本あげた人だよって伝えたらどんな顔をするだろうか。
いや、いいや。人には言われたくないことがあるからな。
「なーんだ、万チャンの彼女じゃなかったんすね」
「誰も彼女がいるとは言ってねぇよ」
そして同時に、彼女のことが好きだとも。
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瑠威神(プロフ) - 夜分遅くにコメント失礼します。初めまして、留威神と申します。楽しく読ませて頂きました。京様のご都合がよろしければ続きをお願い致します。無理言ってしまい申し訳ございません。楽しみにお待ちしております。 (2021年10月8日 3時) (
レス) @page11 id: f19e899b2c (このIDを非表示/違反報告)
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