七ツ目 ページ8
「美味しい……」
「でしょ？」
そう言って真冬さんは目を細める。
私が今食べているものは桜餅と呼ばれるもの。
桜色の大福が葉っぱに包まれており、中にはあんこが入っている。
「あんまりお菓子とか食べないの？」
「たまに頂くのですが大体は禿に」
「ふーん。お姉さんなんだね」
「いえ、決してそんなことは……」
真冬さんは良い子、と言って私の頭を撫でる。
「あの、わたくし十九なんですが…」
「僕よりも年下だし？」
「わたくし、真冬さんの齢知りません」
「あれ？そうだっけ？二十六だよ」
思っていたよりも年上で反応を返すのも忘れて目を丸くする。
「み、見えないです……」
「褒め言葉って思ってて良いのかな？」
「二十二くらいかと……」
「ふふっ、ありがとう」
嗚呼、彼の笑顔を愛(かな)しむのは幾匁だろうか。
もっとこうして彼の傍に居たい。
でもそれは叶わぬ願い。
時が経つのは早いものでもう祭りが終わる時刻。
「今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
「こちらこそありがとう！えっと、これ受け取ってくれる？」
恐る恐る彼が出したのは小さな袋。
「開けても？」
無言で頷くのを見てから袋を開ける。
「わぁ……！綺麗なかんざし……」
入っていたのは硝子(がらす)玉で出来た桜色のかんざし。
結っていた髪にかんざしを挿す。
「どうですか？」
「似合ってますよ」
凄く、嬉しい。
「…ありがとうございます。大切にしますね」
「ありがとうございます。それでは………また」
「……はい」
こうして夢のような時間はあっという間に覚めていく。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
愛しみ→ここではいとおしむこと(色々な意味がある)
幾→数量の不定なことを表す
匁→ここでは数を数える単位(本来の意味は尺貫法における質量の単位)
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京(プロフ) - 俺系女子さん» ありがとう！！！！！ (2018年3月18日 20時) (
レス) id: 0df47550ff (このIDを非表示/違反報告)
俺系女子(プロフ) - 最高！！！！！ (2018年3月17日 19時) (レス) id: b32c1bf922 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 日暮さん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！ (2018年3月7日 19時) (レス) id: 5d90735d0a (このIDを非表示/違反報告)
日暮(プロフ) - 完結おめでとうございます！難しい歌詞が多く、簡単な言葉しか分からなかった朧月ですが詳しく説明してくれたおかげですべてわかりました。よりいっそうまふまふさんの綺麗な言葉が好きになりました (2018年3月7日 7時) (レス) id: b643e58462 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 引きこもり桜花さん» ありがとうございます！まだまだ未熟者ですがこれからも頑張ります！ついでに受験も！(( (2018年3月6日 16時) (レス) id: 5d90735d0a (このIDを非表示/違反報告)
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