あほの坂田/【栞】/さくぱんちゃん ページ9
俺は図書委員会となんとも地味な委員会に入っている
漫画を読むのは好きだけど小説とかを読むのは苦手だし
でも馬鹿なんだから内申を上げろと親がうるさいので渋々入った
他の委員会は他の奴らに取られたからな しゃーない…。
そして同じクラスの図書委員の女子
クラスではあんまり騒いでる印象はなく 頭が良くて 休み時間は本をずっと読んでる
正直 俺はあんま関わらない女子やった
図書委員会には放課後1時間だけ本の貸し出しのために定期的に残らなければいけない
俺はどうせ2人くらいしか来ないその当番を宿題をして潰してきたがさすがに時間が余ってしまう
彼女は本の背表紙を一つ一つ指で追いながら嬉しそうな表情をしていた
何回も見えるうちに少しかわいいって思ったのはきっと気のせい…。
数ヶ月後痺れを切らした俺は話しかけてみた
「なぁ、お前 本の背表紙なんか見て楽しいのか？」
いつも話しかけられない俺から話しかけられたのが驚いたのか
少しあたふたしながら答えた
「え、えっと…楽しい…ですよ ここの図書室は…今まで読んだことある本ばかりで…この本はこんな話だったなとかこんな展開だったなとか、そんなことを思ってたんですけど…顔に出てました？」
「ああ、出てるよ っていうかお前ここの図書室の本全部読んだのか！？」
「あ、いえ まだ読んでない本はありますが有名な作品ばかりなので中学校の時とかに読んだものばかりだな、と……でも、物語って凄いんですよ！そうなるのかって展開をしたり とても感動ものとかもあって同じ作者様なのにこんなにも作風が変わるのか！とかとにかく凄くて！！あっ、すみません…興奮しちゃって…」
何故かその時の俺はそいつの話をちゃんと聞いていた 他の女なら絶対に途中で飽きてしまうのに…
「なら、俺に教えてくれよ その小説の面白さってやつを」
気づけば俺はこんなことを言っていた
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