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「ここって………、」
連れてこられたのは花屋。
一ノ瀬は店に入るなり、店員さんを呼んだ。
………ねぇ、店員呼ぶなら私要らなくない！？
ただ立っているだけなのもつまらないので、花屋の中を見て歩く。
数え切れないほどたくさんある種類。
園芸部に入ってからの3年間で育てたことのない花がたくさんある。
「あ、リナリアだ〜、……このマーガレット綺麗……。」
そう言えば、リナリアの花言葉って何だっけ。
……えーっと…確か…
『この恋に気付いて。』
「……。」
今の、私の気持ちじゃん。
一ノ瀬に、気付いて欲しい。
私があなたに恋してるんだよってこと。
「すみません。」
気付けば私はリナリアを、何輪か買っていた。
誰に渡すつもりもないのに…。
一ノ瀬は何を買ったんだろ。
そんな疑問を抱きつつ、私は店を出て一ノ瀬が出て来るのを待った。
,
,
,
そ「お待たせ。」
「あ、少し遅かったね。何買ったの？」
そ「え？んー、内緒。」
「え！？なんで！？」
ついて行ったのに教えてくれさえしないの！？
ほんとに、私の来た意味とは……。
そ「さ、帰ろ、送るよ。」
「え、……ありがと…。」
再び二人で歩く。
今度はお互い、あまり喋らない。
さっきは結構喋ったのになぁ…。
無言で歩くこと数十分、私の家についた。
「ありがとう、バイバイ！また明日！」
そ「うん、……櫻田！」
急に、呼び止められた。
「どうしたの？」
そ「……いや、何でもない…。」
「そっか、じゃあね！」
一ノ瀬に、手を振り家に入った。
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