そらる/花言葉で君に伝える【飛鳥】 ページ22
卒業式前日の朝、
そ「今年も綺麗に咲いたな。」
「一ノ瀬！」
水やりする私の前に現れたのは、クラスメイトであり、私の片思いの相手でもある一ノ瀬彼方。
勉強、運動なんでもよしでおまけにルックスまでいい彼はクラスの…いや、学年の人気者。
彼は運動部でありながらも、部活後、こうして園芸部の私のところへ来てくれる。
「お疲れ様、今日は少し早いね。」
そ「うん。だから早めに着替えて来た。花見るの嫌いじゃないし。」
……好きでもないんかいっ！
心でそうツッコミながら再び水やりを行う。
こうして二人で話しながら過ごす時間が、部活で…もとい、１日で一番好きだ。
・
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そ「あ、」
水やりを終え、片付けをしていると、一ノ瀬が小さく呟いた。
「…どしたの？」
そ「帰り、ちょっと付き合ってくれない？」
「？…いいけど…。」
片付けを早めに終え2人で校門をくぐる。
周りから見ると私たちはデートしてるみたいだ。
………一之瀬にも好きな子とかいるのかな？
自分で言った言葉に自分で傷つく。
一ノ瀬の好きな子はきっと私じゃない。
きっと私よりも何倍も何倍も可愛い子。
私なんか足元にも呼ばないようなそんな子。
2人で肩を並べ街を歩く。
「ねぇ、どこに行くの?」
そ「いいから、ついてきて。」
一之瀬はそう言うと私の手を引いてつかんだ。
……これじゃ普通のデートじゃん。
自分の顔が熱くなっていくのがわかる。
もしも今、一ノ瀬に顔を見られたら、きっと私が一ノ瀬を意識してることがバレてしまう。
そ「…櫻田？顔赤いけど…。」
「えっ！？そ、そんなことないよ！！」
あ〜もう、これじゃあ動揺してるのバレバレじゃん。
そ「あ、ここ。」
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