【コラボ企画】あの日の花と君と【歌い手】 (ページ3)

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｢こんにちは｣

俺が話しかけると、彼女は少し動揺したように目をキョロキョロさせる。

｢いつもここで本読んでますよね？｣

｢は、はい…｣

｢俺、たまに帰るときここを通るんですよ…その時にいつもここで楽しそうに本を読んでるから、どんな本を読んでるのかなって気になってたんです｣

いつも通り彼女に話しかけると見せる鋭い眼差しが俺に向けられる…それでも俺は気にせず話す。

｢もし良かったら俺また話しかけてもいいですか？｣

｢俺の一方的な話に今はなってもいつか貴方の話も聞かせて下さい｣

返事は帰って来なくても今はそれでいい。

いつか返してくれれば…俺は待ってるから。

そして、いつか俺が本当に気になってる何でいつも1人でいるのか、時折見せる寂しい顔は何故か、どうして人を遠ざけるようになったのか、何に怯えているのか俺に聞かせてね。

1輪のアザミに静かに寄り添うカランコエに俺はなれたらいいな。