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浦島坂田船 マフィアパロ[3] ページ12

「坂田......お前、任務に行ったはずだろ?」

「あんま驚かへんのやな」


先程とは打って変わった黒い笑みを浮かべる坂田。

その目にはもう、うらたを味方と思う光はなかった。

素早く坂田が拳銃を抜く。


バンバンバンッ


カラカラと落ちる空薬莢とザシュッと人の撃たれる音だけが廃ビルに響く。


「ごめんな、裏切ってもて」

「はっ、思ってもねぇ事よく言うよ」


撃たれたうらたは全身血塗れだがそれでもまだ立っている。

互いが互いを睨み合う。

まるで、初めから敵だったみたいに。




そして、最後の時が来た。




「うらさん、死んでくれる?」

「ま、お前に殺されるのも悪かねぇかもな」


うらたに抵抗する気力はもう残っていない。

大人しく殺されることを決意した。


「これまでリーダーでいてくれてありがとう









大好きやったで、さよなら」









発砲音の後に聞こえたのはどさりと人が倒れる音だった。


「やはり俺が見込んだ甲斐があった」


黒いイヤホンからジジジッと音が聞こえる。


『ボス、標的絶命しました』

「ご苦労。回収に向かわせる」

『了解です』


その会話を最後に切れるインカム。


「これであのチームも終わりだ...!」


高らかに声を上げて笑う彼。

これで彼の目的は達成された。

頭が潰したならばチームを滅ぼしたのも同じこと。


「ボス、標的確かに絶命しました」


数分後、インカムからそんな言葉が聞こえた。


「これであの組織も俺のモノ......!!」


余程嬉しかったのか、彼は真っ赤な血の色のワインをコクリと飲む。

そしてまた、高らかに笑うのだった。

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作者名: | 作者ホームページ:ないよ  
作成日時:2018年5月26日 13時

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