十五話 ページ16
「お二方すいません、兄から返事が来ました。」
俺の言葉に二人は目を此れでもかという程開いて俺を見た。
「え、早くない?もっとかかるかと思ったんだけど」
「俺も驚いてます。そして返信の内容に狂気を感じます」
「…狂気?」
俺の言葉に首を傾げる二人。
俺はそんな二人に何も云わずに端末を見せた。
瞬間__。
「……。」
「あー…うん。」
二人は端末から同時に目を逸らした。
何気に顔色も悪くなっているように見えるのは……気のせいではないだろう。
「君も大変だね。」
「兄は俺限定で過保護と心配性を拗らせた人ですから。」
後で聞いたことだが、此の時の俺の目は死んだ魚の様な目をしていたらしい。
兄よ……貴方はそろそろ俺から卒業して下さい……。
「取り敢えず返信しなきゃですよね。」
「そうだね。ちょっとそれ貸してくれる?」
「あ、はい。」
太宰さんに端末を渡すと何事か打ち始めた。
それと同時に何か紙切れを国木田さんに渡していた。国木田さんはそれを見ると思いっきり顔を顰めた。
「おい太宰。」
「頼んだよ国木田君。私は彼と先に向かってるから」
「は?」
向かう?
何処に?
困惑する俺を無視して太宰さんは端末を差し出してきた。
「取り敢えずこの文面で送ってほしいのだけど、確認してくれるかい?」
「はぁ……。」
文面を見れば、会って話がしたいのでとある空き工場に来てほしいという風な事が書かれていた。
「特に問題は無いと思いますが…。」
「そうかい?ではそのまま送ってくれ給え。」「はぁ。」
云われるがままに送信した。
ら。
『ピロリン♪』
直ぐに返信がきた。
「……。」
「……今送ったばかりだよね?」
「…………。」
最早何も云うまい……。
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作者名:春歌紫音 | 作成日時:2017年7月22日 23時