もしも叶うのであらば…。【文豪ストレイドッグス】 (ページ2)

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一話ページ2

「どうして貴女なんて産んでしまったのかしら？」
「……。」
「そんな姿になっても貴女が女であることは変えられないのよ。どうして女として産まれたのかしら……」
「……。」
「私の前では絶対に喋らないでね。貴女の声を聞くだけで不快だわ。」
「……。」
「目障りよ、貴女には何の価値もないのだから私の前から消えてちょうだい。
もう私が貴女を此の家に置いておく必要などないでしょう？」
「……。」

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生物学上、女という性別でこの世に産まれ生き母親に存在を否定されること21年……。
高校卒業後無事に就職し、成人式も無事迎えてから数ヵ月後……母親から家を追い出された。
荷造りをする時間は与えてもらえたが、住む場所などは決まっておらず取り敢えずネットカフェに避難。

「却説、此からどうするか…。」

資金に関しては問題無い、金を湯水のように使うような自堕落な生活は送っていない。
だがしかし、風呂は死活問題だ。
洗濯はコインランドリーで済ませればいいが、風呂はそうはいかない。
接客業に勤めてる手前、汚い成りをするわけにはいかない。
だが近くに銭湯はないし、風呂に入るためだけに家に行くのもちょっと……。
ネットカフェにもシャワーはあるが、此処で永住するわけにもいかない。
先ずは住居を探さねば。

「…だけど、職場の近くにアパートなんてあっただろうか？」

スマホアプリを起動させ探してみるが、見つからない。
職場から少し遠いところには良さげなのがあるのだが、通勤が大変になりそうだ。

「……通勤に関しては我慢しよう。あとは手続きか……」

職場に住所変更の手続きをしなければならない。
保証人も必要か…兄貴でいいな、うん。
電話くらいなら出るだろ←

淡々と一人暮らしのプランを立てながら、その時までの生活も考える。

「今まで以上に無駄遣いは出来んな。飯は……一食抜いたところで問題ないな。死ななきゃ安い」

(あ、今の台詞●谷部さんみたいだ←)

取り敢えず今後の事その他諸々を考えて、何かしら携帯出来るような軽食でも買おうとコンビニに向かった。

「……カ●リーメ●トとかソイ●イでいいか。あ、飲むゼリーもいいな」

取り敢えず三種類程を大量に買ったら店員に変な目で見られた。
買い占める勢いで買ったからだろうか？

(まぁ互いに名も知らないのだから気にしなくてもいいか。)

そんな事を思いながら大量に買った軽食を持ってコンビニを後にする。