ふたり。(短編集)

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眉を下げて眉間にしわを寄せて


困ったように笑う、


泣くのを堪える表情が


愛おしくてたまらない。




・




「 太輔、一緒に住もう。


365日、一緒にいたい。




俺の一生、お前にやるから。


だから


お前の一生、俺にちょうだい。」




俺の一生一代のプロポーズ。




その言葉に堰を切ったように涙を流しながら


俺の首に両手を回して跨って


ぎゅーーっと抱きしめられた。



耳元で泣き続ける太輔を


安心させるように


背中に回した手で背中を撫でる。




「 この八年間、ずっと一人にしてごめん。


ずっとずっと、待たせてごめん。


、、、、愛してるよ、太輔。」




俺に抱きつく腕が強くなって


「 うぅ、、、好き、、、大好き、、。」


何度も何度も紡がれる想いに応えるように


愛してると繰り返した。






・





「 、、、幸せ。


やっぱり俺は世界一、幸せ。」



噛みしめるように洩らす


その表情を見たくて、少し距離をあければ


今までで見た中で一番、


綺麗に笑う君がそこにいた。




・



「 ねぇ、返事は？」


もう分かってるけど、やっぱり聞きたいんだ。





こちらこそよろしくお願いします、と


俺の大好きな笑顔で微笑む君の隣が


これからもずっと俺でありますように。







その左手を包みこめば


少し冷たいその感触が嬉しくて


引き寄せるようにまた、


その唇にキスを落とした。

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