自覚 ページ10
演習に事故と言うのは割と付き物で、誰かが装置を壊したり、演習場を半壊させたり、はたまた自分の肉体を酷使し過ぎて怪我をしたり等は日常茶飯事だった。
本来、ここまで物騒な毎日というのは異常で、これに慣れてしまうのが良い事なのか、ヒーローと言う職業を目指すにあたって言葉に詰まる。
ばぁさんの治癒を得たおかげで痛みは随分引いたが、体は鉛の様に重たい。
現にばぁさんもこの時間は休んでいろと言い残し自分はさっさと会議へ向かった。
ぼぅっとカーテンで仕切られた天井を見上げ、今後を考える。
演習を終えれば放課後。普段であればすぐ帰宅しトレーニングにと思っていたが、今日はそういう訳にはいかない。
彼女の作ったサポートアイテムが壊れてしまったのだ。
全壊、とまではいかないが、自身の火力調整や機転の利かなさで招いた損壊だった為眉根を寄せる。
申し訳ないというか、悔しいというか、彼女の顔が悲哀に歪むのではと思うと何ともやるせない感情が胸に溜まった。
らしくもない。ため息をついて、再び放課後の予定へと思考を巡らせる。
飛び起きて演習に戻ってもいいが、どうせ後ほど引きずるのであれば今療養しておく方が今後に効率的だろうと大人しくベッドに身を委ねたままだった。
帰宅前に謝りにいくか、とぐるぐる不快な感情が回り続ける心中を落ち着かせるように、再び息を細く長く吐いた。
チャイムが鳴り、今日の全ての授業が終わりを告げる。
今日はきっと演習場でホームルームを行い現地解散だろう。
効率を求める担任の事だ、生徒を送り届け着替えを待ち、再びたった10分そこらのホームルームの為に教室に舞い戻るなど大抵考え付かなかった。既に何度か現地解散の経験があるからかもしれない。
他の奴らが帰ってくると面倒だ。もう鞄を取りに行ってしまおうと上体を起こす。節々が軋んで、体中の鈍い痛みに顔を顰めた。
軽い舌打ちと共にベッドから起き上がり、床へ足をつく。履きつぶした上履きを引っ掻け、カーテンを開けた。
飛び込んでくる蛍光灯の明るさに再び顔を顰め、カーテンを開けきり毛布を畳む。
居住まいも正したことだ。帰ろうと踵を返した刹那、勢いよく保健室のドアが開いた。
「勝己くんｯｯ！！」
いくら頑丈にできているとはいえ、壊れるのではないかと思う程凄まじい音と勢いでドアを開けたのは先の行動に似つかわしくない彼女だった。
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Umi(プロフ) - なゆさん» わ〜！！楽しんで頂けてよかったです！こちらこそご覧下さりコメントまで頂戴しありがとうございます…！！ (2021年12月2日 21時) (
レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - 終始ときめきっぱなしでした...！！好きです！ありがとうございました！ (2021年11月30日 4時) (レス) @page33 id: 8a48c9aede (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 羽凪_9さん» 長いお話をご覧頂き、また私の妄想にもありがとうございます…！！同士様…！！🥺大変嬉しいです！よろしければぜひ、よろしくお願い致します🥰 (2021年11月27日 20時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
羽凪_9(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！主様、分かります…バクゴーはどちらかと言うとかっこいーって感じだけど見れば見るほど…カワイクネ?思ってくるんですよね…ホントもうスンゴイ、分かります！… 、お気に入り作者様に追加させて頂いてもよろしいでしょうか?! (2021年11月27日 17時) (レス) @page37 id: cebfff4930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年11月25日 15時
