距離感 ページ5
わいわいとすぐA組の人達に囲まれる私に舌打ちをした勝己くんは、それでも黙ってただ待ってくれていた。
一方、この短時間で沢山お友達が増え上機嫌である。名前をきちんと覚えきれるだろうか。
ご機嫌な私とは正反対のかっちゃんが、もういいだろ。と手を引いたことにより解散となり、寮への道は驚く程静かな二人きりとなった。
ちなみに手は、すぐ離れた。ちょっと惜しいと思ったのは内緒だ。
「…いい人達に恵まれてよかったね」
「恵まれてねぇわ。」
あんな雑魚共、と再び口の悪さを露呈してきた為、こら。と力なく肩パンした。
「だめだよかっちゃん。大事にしなきゃ。」
折角仲良くしてくれてるんだから。と頬を膨らませる私に、益々眉を顰めた彼は消え入りそうな声で肯定の返事を零す。
何だかんだ根は優しいので、この男、難しいだけだった。
無事寮へと送り届けてもらい、勿論送り狼になられる事も無く、さっそく試作へと頭を悩ませる。
授業の傍ら何度か意見を貰いに行って、そのたびにA組の皆に構って貰えるせいか今はもう随分と仲良くなれた。
お友達が増えて私は大変にはっぴーである。高校生ライフ、早くも順調だ。
「こんにちは〜」
「お、Aちゃんやっほ〜！」
「上鳴くんやっほ！勝己くんおる？」
「ちょっと待っててな〜！」
ひらひらと手を振ると、目を輝かせた上鳴くんは今日も可愛いねぇ、と褒めてくれる。変わらず口の上手い彼だ。
あれぇ、と教室を見渡す上鳴くんに、気付いた切島くんが声を上げる。どうやらかっちゃんは先生に呼び出された様だった。
教室にお邪魔させてもらい、彼を待つ間にとガールズトークが始まった。
「ねぇねぇ、爆豪といつから一緒だったの？」
「幼稚園だよ、お家が近所でよく一緒に遊んでたの。」
後をついてる、の方が正しいかもだけど、と天井を仰ぎ見る私に、爆豪変わらないねぇ、と三奈ちゃんはけたけた笑う。
「緑谷ちゃんが雄英受けるの反対されたって聞いたけれど、Aちゃんはどうだったのかしら」
口元に手をあて首をかしげる梅雨ちゃん。そんな事もあったなぁ、と頬をかき記憶をたどった。
「確かに雄英受けるのは俺だけでいいって意地張ってたよ、変わらずみみっちいよね」
「みみっちい…んふ、Aちゃん容赦ないね」
Aちゃんは何もされんかったん？と机に頬杖をつき私を見上げてくるお茶子ちゃん。くりくりのおめめが可愛らしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Umi(プロフ) - なゆさん» わ〜！！楽しんで頂けてよかったです！こちらこそご覧下さりコメントまで頂戴しありがとうございます…！！ (2021年12月2日 21時) (
レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - 終始ときめきっぱなしでした...！！好きです！ありがとうございました！ (2021年11月30日 4時) (レス) @page33 id: 8a48c9aede (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 羽凪_9さん» 長いお話をご覧頂き、また私の妄想にもありがとうございます…！！同士様…！！🥺大変嬉しいです！よろしければぜひ、よろしくお願い致します🥰 (2021年11月27日 20時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
羽凪_9(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！主様、分かります…バクゴーはどちらかと言うとかっこいーって感じだけど見れば見るほど…カワイクネ?思ってくるんですよね…ホントもうスンゴイ、分かります！… 、お気に入り作者様に追加させて頂いてもよろしいでしょうか?! (2021年11月27日 17時) (レス) @page37 id: cebfff4930 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：み
| 作成日時：2021年11月25日 15時
