息つく暇とはどこへやら ページ14
どうしてこうなったのだろう。
「…い、いずくん、久しぶりだね」
「久しぶり、Aちゃん…」
「なｯ…なななななんで私が…ｯ！？」
あはは、と乾いた笑みでトレーを下ろす私の隣には、真剣に戸惑うお茶子ちゃん。
その向かいには同じく幼馴染であるデクくんこといずくん。そして私の向かいには勝己くんが赤々とした消化に悪そうな麻婆豆腐の入ったトレーを下ろす。
何とも言えない、何がどうしてこうなったのか分からない昼食時間になったのも、偶然食券販売機の前で鉢合わせたからだった。
そもそも、勝己くんは一人、私はクラスの友達、いずくんとお茶子ちゃん、という列で並んでいたはずだったのに何故こうなったかは分からないし、私の友人は満面の笑みで他の友達と別の場所へ座ってしまった。
何ならファイト、とガッツポーズまでされた。おかしい。
「そういや、デクくんの呼び名面白いんやねぇ」
一生懸命に話題を探してくれるお茶子ちゃん。ハンバーグを一口含む私を見やる。
「うん、小さい時にいずくくんが言えなくて。くが省略されて今日に至ったよ」
「至っちゃったかぁ」
そうなんです奥さん、と冗談めかしながらおかずを口に運ぶ。
大口を開ける勝己くんがいずくんに毒づくのはやはりデフォルトらしい。可哀想にやめなさい。
「デクでいいだろクソデクで」
「かっちゃん悪口はだめよ」
「そういや爆豪くんの呼び方もぶれぶれやんなAちゃん」
あむあむ、白ご飯を食べるお茶子ちゃんはとても可愛らしい。
対する目の前の激辛真っ赤っ赤定食を何事もなく口にするかっちゃんこと勝己くんは眉を顰めるのみで終わった。
「ちっさい時はかっちゃんって呼んでて、中学生くらいから勝己くんかなぁ、茶化す時は百パーかっちゃん」
「おいコラ」
「かっちゃん」
「ニヤけんなクソが」
にひ、と上げた口角を隠す様に口元を手で覆うと、ギンッと目が鋭くなる。
可愛いからいいじゃん。と笑う私に、嬉しかねェんだよ、と勢いよく叫んでいた。
「かっちゃん可愛いのに。ほらお食べ、冷めるよ」
「ガキみてぇな扱い方してンじゃね〜！！」
わなわな。怒りに肩は震えるものの私に対して絶対に爆破はしてこない。ふふん、と謎の優越感を持ちながらお茶子ちゃんとの会話に花を咲かせる。
「そういやいずくん、個性出てよかったねぇ」
「ヘッ！？えっ、う、うん、そう、そうなんだ」
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Umi(プロフ) - なゆさん» わ〜！！楽しんで頂けてよかったです！こちらこそご覧下さりコメントまで頂戴しありがとうございます…！！ (2021年12月2日 21時) (
レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - 終始ときめきっぱなしでした...！！好きです！ありがとうございました！ (2021年11月30日 4時) (レス) @page33 id: 8a48c9aede (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 羽凪_9さん» 長いお話をご覧頂き、また私の妄想にもありがとうございます…！！同士様…！！🥺大変嬉しいです！よろしければぜひ、よろしくお願い致します🥰 (2021年11月27日 20時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
羽凪_9(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！主様、分かります…バクゴーはどちらかと言うとかっこいーって感じだけど見れば見るほど…カワイクネ?思ってくるんですよね…ホントもうスンゴイ、分かります！… 、お気に入り作者様に追加させて頂いてもよろしいでしょうか?! (2021年11月27日 17時) (レス) @page37 id: cebfff4930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年11月25日 15時
